私的美遊空間

美しく愛しいものたちへのつぶやき

ラストサムライロケ地・書写山圓教寺/西国三十三か所二十七番札所

2015年11月26日 | 札所巡り
ー 圓教寺パンフレットより ー

こちらは、ハリウッド映画 「ラストサムライ」やNHK大河ドラマ 「軍師官兵衛」のロケが
行われた圓教寺の中心道場と言える三つの堂がコの字に配置された伽藍空間です。

右手の建物は大講堂、中央は食堂、左手が常行堂。

いずれも室町時代の建物で、「一度は訪れてみたい名建築」として、
「週刊古寺をゆく・別冊」(小学)で紹介されたことがあります。




樹齢数百年の杉木立の道を抜け、急な坂道を上ります。




ー 大講堂 ー (国重要文化財)
こちらは僧たちの勉強と修行の場

播磨の諸将が信長に加勢する中、別所長治が毛利方に寝返り、
窮地に立たされた秀吉は、官兵衛の進言によりこの圓教寺に
本陣を移し難を逃れたと言われています。

ここは、信長からの大勢の援軍を収容でき、山上にあることから
敵を監視するのに好適との官兵衛の判断だったのでしょう。
そんな歴史の一コマを彷彿とさせる凛々しい雰囲気が漂っています。




大講堂の軒下
風雪に耐えた木材の貫禄



お祀りしているのは、釈迦三尊像 (脇侍は文殊菩薩と普賢菩薩)ですが、
普段は拝観不可で、GWの新緑まつりと12月14日~16日のみ特別公開されます。




ー食堂 (じきどう) ー

修行僧の寝食のための建物 (国指定重要文化財)
長さ約45mの二階建ての建物は他に類を見ないそうです。

今では、1階が写経や座禅体験の場として解放され、
2階は寺宝の宝物館となっています。

圓教寺は弁慶が修行したことでも知られていますが、
この宝物館には 「弁慶の勉強机」 も展示されています。
分厚い一枚板のかなり重そうな机ですが、弁慶はこの机を
境内のあちこちに持ち運んで、そこで勉強していたようです。

あの屈強な弁慶さんが机を持ってウロウロしているなんて、
想像するだけでも、益々弁慶さんが可愛らしく思えてなりませんでした。




ー 金剛薩た座像 (こんごうさった) ー
この座像は金剛堂の本尊ですが、この宝物殿に展示されています。

※「薩た」の「た」は漢字ですがパソコンでは出てこないので平仮名にしました。



ー 常行堂 (じょうぎょうどう) ー
本尊は阿弥陀如来座像 建物と共に国の重要文化財

ここは、常行三昧という修行の場
(常行三昧とは、ひたすら阿弥陀仏の名を唱えながら本尊を回る修行のこと)

舞台と楽屋が付いた珍しい建物
張り出した舞台は、向かい合う大講堂の釈迦三尊に舞楽を奉納するためのもの。


~ * ~ 三か所の特別公開 ~ * ~



ー 本多家廟所 5棟 ー
食堂の向いに土塀で囲まれた姫路城主本多家の墓所があります。
この度、特別公開で中まで入らせて頂きました。
江戸初期から中期にわたる廟建築として、県下でも類例のない貴重な遺構とのことです。




ー 十妙院 及び狩野永納襖絵 ー(国指定重要文化財)

江戸中期に建築され、圓教寺型といわれる独特の構造を持った塔頭といわれています。
内部にある襖絵は狩野永納筆で、この度特別公開されました。




ー 金剛堂 ー (国指定重要文化財)

こちらは室町時代の建物で二間四方の小さいお堂
天女の天井絵が特別公開されました。
本尊の「金剛薩た」は食堂の宝物館に展示されています。




金剛堂前の山上公園からは、はるか瀬戸内海や小豆島まで見渡せます。

はるばると のぼれば書写の 山おろし
松のひびきも 御法なるらん



※釈迦三尊像と金剛薩た座像の画像は「西国三十三所をめぐる本」より
(株 京阪神エルマガジン社)

コメント (6)
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