私的美遊空間

美しく愛しいものたちへのつぶやき

やっと手に入れた踊子草

2016年04月29日 | 花便り

~ 踊子草 (おどりこそう) ~

山野草好きの友人から教えてもらってから、ずっと欲しかった踊子草。
昨年、念願叶って手に入れたものが、この度めでたく花を咲かせました。

* * *

シソ科の多年草
名の由来は、上唇を笠に、下唇を踊り子に見立てたことから。
くるりと取り巻いた花は、バレエで着用するフワフワのチュチュみたいで可愛いでしょ♪

この花は野原や道路脇など、どこにでも自生しているらしいですが、
私はそう言った所では見たことがなく、山野草展でさえ商品として
並んでいるのに出会ったことがなかったのです。

唯一見たのは、姫路城の東側の柵内でしたが、そこに忍び込んで
採集して来る勇気(?)は無くて、指を加えてただ見ていることしか出来なかったのです。

それでも、いつか出会える日が来たら、絶対手に入れようと思っていて、
それから30年!やっとその日がやって来たのでした。

* * *

昨年の5月に岡山に行った時のことです。
主人の父が、幼い頃を過ごしたと云うその場所を訪ねた時のことですが、
なんと言うことでしょう♪近くの空地に踊子草が群生していたのでした。

帰りに、せめて一株だけでも採集しようと思って、
用事を済ませてその場に戻ると、なんと!そこではおじいちゃんが、
その踊子草を鎌でザクザクと刈り取っているではありませんか!
そこで、急いで声をかけました。

* * *

「こんにちは、草刈りは大変ですねえ、、その花って踊子草って言うんですよね?」
「なんや知らんけど、こんなもんどんどん増えて困ってるんや」

「えーっ!そうなんですか?私、この踊子草が欲しくてずっと探してたんですよ、
二株くらい頂いてもいいですか?」

「そんなもんで良かったら、いくらでも持っていきよ」

* * *

30年も探していて、手に入れることが出来なかった踊子草、
こんな所で、雑草扱いで、刈り取られる寸前のところで出会うなんて、
なんと言う巡り合わせだったのだろう。

嬉しさいっぱいでお礼を言いつつ
硬い土を、そこらにあった棒でようやく掘って持ち帰り、
大事に、大事に、そっと鉢に植えました。

* * *

それから1年が経ち、二株のうちの1つは枯れ、残りの1つが葉を出し、
蕾をつけて、立派に咲いてくれました。

はびこって困るところでは邪魔者扱いですが、
私には大事な踊子草、この一株が枯れずに、
順調に根を張って、増えていきますよう祈るばかりです。




コメント (10)
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