今頃は何でもインターネットで調べられるようになった。
単語を打ち込んでポンとクリックすれば、すぐに目の前に現れてくる。
調べ物が簡単になり
嵩張る百科事典は無用の長物になってしまった。
~ ~
だから
我が家でも、私が独身時代に買ってインテリアとしても楽しんでいたこの事典が
嵩張って邪魔だとして、再三処分するようにと言われていたのだった。
でも、若い時代の思い出ある時間を共有してきた、この事典を手放すなんて、
身を切られる思いがして、とても出来そうになくて、その後も長く置いていた。
そして時は、断捨離ブームになり、身の回りの物を減らしてすっきりと暮らすことが
最上の暮らしなのだと、あちこちのメディアで取り上げられるようになった。
そう言えば、そうよねえ、、
もう年齢的には身辺整理をしないといけない歳よねえ、、
そう思い直して
まだ傍に置いておきたいという気持ちを抑えて、処分しようと
友人に声をかけてみた。
~ ~
「ねえ、ブリタニカの百科事典が全巻あるんだけど、もらってくれない?」
「あらまあ!そんな大事な物を頂いていいの?」
「いいのよ、愛着があって他所には渡せないの、○○さんだから持ってて欲しいの」
「分かった、じゃあ頂くね」
ということになり、早速彼女に届けて来た。
~ ~
ところが
初めの内こそ「ああ、すっきりしたわあ!」と思ったものの
2,3日もすると段々寂しくなってきて、どうにも落ち着かない状態に、、
それで
何とかこの気持ちをなだめようと、断捨離に関する本や雑誌などを漁って読んでみた。
するとその中で「断捨離はなんでもすればいいと云うわけではなく、
思い出のある大事なものは取り敢えず置いておけばよい」と云う記事を見つけて、
そうだ!そうだ!これなんだ!
何も、人に言われたからって、こんな気持ちになる物を処分しなくてもいいんだ!
~ ~
それで主人に言ってみた。
「私ねえ、○○さんにあの事典あげたんだけど、やぱりあれが無いと寂しいわ!」
「えっ、寂しいって、、それでどうしたいの?」
「やっぱり返してもらおうと思うんよ」
「でも、一旦やったものを、、恥ずかしいんじゃないの?」
そんな会話のあと、恥を忍んで返してもらいに行った。
* * *
結局、持って行って、また持って帰って来て、、
いい大人がなにをしてるんだか、、
それでも
この出来事は、本当に大事なものは何なのか、それを教えてくれて、
嬉しく、満足のいく結末になったと思うのである。
単語を打ち込んでポンとクリックすれば、すぐに目の前に現れてくる。
調べ物が簡単になり
嵩張る百科事典は無用の長物になってしまった。
~ ~
だから
我が家でも、私が独身時代に買ってインテリアとしても楽しんでいたこの事典が
嵩張って邪魔だとして、再三処分するようにと言われていたのだった。
でも、若い時代の思い出ある時間を共有してきた、この事典を手放すなんて、
身を切られる思いがして、とても出来そうになくて、その後も長く置いていた。
そして時は、断捨離ブームになり、身の回りの物を減らしてすっきりと暮らすことが
最上の暮らしなのだと、あちこちのメディアで取り上げられるようになった。
そう言えば、そうよねえ、、
もう年齢的には身辺整理をしないといけない歳よねえ、、
そう思い直して
まだ傍に置いておきたいという気持ちを抑えて、処分しようと
友人に声をかけてみた。
~ ~
「ねえ、ブリタニカの百科事典が全巻あるんだけど、もらってくれない?」
「あらまあ!そんな大事な物を頂いていいの?」
「いいのよ、愛着があって他所には渡せないの、○○さんだから持ってて欲しいの」
「分かった、じゃあ頂くね」
ということになり、早速彼女に届けて来た。
~ ~
ところが
初めの内こそ「ああ、すっきりしたわあ!」と思ったものの
2,3日もすると段々寂しくなってきて、どうにも落ち着かない状態に、、
それで
何とかこの気持ちをなだめようと、断捨離に関する本や雑誌などを漁って読んでみた。
するとその中で「断捨離はなんでもすればいいと云うわけではなく、
思い出のある大事なものは取り敢えず置いておけばよい」と云う記事を見つけて、
そうだ!そうだ!これなんだ!
何も、人に言われたからって、こんな気持ちになる物を処分しなくてもいいんだ!
~ ~
それで主人に言ってみた。
「私ねえ、○○さんにあの事典あげたんだけど、やぱりあれが無いと寂しいわ!」
「えっ、寂しいって、、それでどうしたいの?」
「やっぱり返してもらおうと思うんよ」
「でも、一旦やったものを、、恥ずかしいんじゃないの?」
そんな会話のあと、恥を忍んで返してもらいに行った。
* * *
結局、持って行って、また持って帰って来て、、
いい大人がなにをしてるんだか、、
それでも
この出来事は、本当に大事なものは何なのか、それを教えてくれて、
嬉しく、満足のいく結末になったと思うのである。