ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ムード・インディゴ ~うたかたの日々~

2013-10-01 22:30:10 | ま行

これも
“やりたいこと、やりきった者勝ち”。(パチパチ)


「ムード・インディゴ ~うたかたの日々~」70点★★★★


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パリのアパルトマンに暮らす青年コラン(ロマン・デュリス)は
ある日、可憐なクロエ(オドレイ・トトゥ)に恋をする。

専属シェフ(オマール・シー)の後押しもあり、
お互いの思いを確かめ合い、
この世の幸せを味わうコランだったが


その幸せは、長くは続かなかった――。


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ミシェル・ゴンドリー監督が
1947年に発表された
ボリス・ヴィアンの『うたかたの日々』を映像化したもの。

まぶたをハサミで切ったり、
蛇口からウナギが出てきたり

冒頭からアートアニメーションのような、
キュートでシュールで、ファンタジックで、不思議な映像世界が展開され、
けっこう呆然(笑)

チェコの映像作家ヤン・シュヴァンクマイエルの世界に
似てる感じもしました。


原作、昔、読んだはずなんですが
全然思い出せないんですが(苦笑)

そうした小道具なんかは
原作に登場するものを忠実に可視化したようです。


でも、それはやっぱりゴンドリー味になっている。
その「やりきり具合」に感嘆します。

男女が恋に落ち、世界のすべてがキラッキラ輝いているような
楽しい序盤から


愛する人の病で、世界がすすけて曇り
次第に部屋すらも小さくなっていく、その息苦しさまで
完璧な統一性。

その美意識に
シュールさや、皮肉をちりばめて、プッと笑わせる。
ふわふわとしてやがて切ない、なかなかの体験でした。

ただ
125分と、長いのがたまにきず。
90分くらいなら、より素敵だったな。

ちなみに、専属シェフ役のオマール・シーは
「最強のふたり」(12年)のあの人です。


・・・と、書いていたら

twitterで@brzm505さんに教えていただきました。

劇場ではインターナショナル版95分バージョンが公開されるそうです。

ナニソレ?(笑)ワシの意向?(笑。オイコラ


★10/5(土)から新宿バルト9、シネマライズほかで公開。

「ムード・インディゴ~うたかたの日々~」公式サイト
コメント (2)
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