ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ある愛へと続く旅

2013-10-28 23:29:25 | あ行

熱いラブストーリーかぁ、と
ちょっと高をくくっていたので、これはびっくりした!


「ある愛へと続く旅」75点★★★★


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ローマに暮らす中年女性ジェンマ(ペネロペ・クルス)のもとに
サラエボから、1本の電話がかかってくる。

それをきっかけにジェンマは
16歳の一人息子(ピエトロ・カステリット)を連れて
サラエボを訪れることになる。

それは、20年以上前、
サラエボに留学していたころの自分と
最愛の人ディエゴ(エミール・ハーシュ)との思い出を
訪ねる旅でもあった――。

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これはびっくりした。おもしろかった!

宣伝ビジュアルから
「あ~ラブラブストーリーかあ」
「え?エミール・ハーシュとペネロペ?親子くらい歳違わね?」とか
勝手に思ってたんですよ。
(実際は11歳しか違わなかった。笑)

そしたら。

たしかにラブストーリーでもあるんですが
これが実に練られたサスペンスでもあり、
ホントびっくりした。

これは原作もおもしろいんだと思う。


ボスニア紛争下のサラエボと、現代を舞台に
、不妊、母と息子、謎、そして真実……と、
おもしろ要素をうまく盛り込み
2時間ちょいとは思えない充実度。

ラストまで見て、すべて解した上で
もう一度見たいと思った。

内戦の悲惨さも染みるけど、
ワシ的にもっとも染みたのは、不妊に悩むペネロペの葛藤。

街を歩いていても、妊婦ばかりに目が行き
「まるで(妊婦たちが)自分に向かってくる軍隊みたい」というセリフがあって

子どもをほしいと思ってないワシにも
なんか、すごく共感できました。

監督は「赤いアモーレ」でもペネロペと組んでる
セルジオ・カステリット。

原作・脚本は妻であるマルガレート・マッツアンティーニ。

そして映画でペネロペの息子を演じてるのは
二人の実の息子だそうで

これは、マジに実力派芸術一家だわ。

で、まったくもって余談だけど
エミール・ハーシュって
やっぱりジャック・ブラックに似てるよね?(笑)


★11/1(金)からTOHOシネマズ・シャンテほか全国で公開。

「ある愛へと続く旅」公式サイト
コメント
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