似ているということに、これほどまで
意味と見応えがあるとは思わなんだ。
「スティーブ・ジョブズ」70点★★★★
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1974年。
スティーブ・ジョブズ(アシュトン・カッチャー)は
大学を中退し、インドを放浪するなどしていた。
あるときジョブズは
友人のスティーブ・ウォズニアック(ジョシュ・ギャッド)が
個人用のコンピューターを作っているのを見つける。
「これは未来を変えるものだ!」
感動したジョブズは、
その機械を売り込もうと試みるが――?!
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完全リアルタイムに存在していた偉人を、
亡くなって2年というタイミングで映画化するなんて
相当な肝っ玉がないとできないと思う。
そんななか、
想像より良くできていた!というのが正直なところでした。
アップル操業までの道のりや歴史などは
いままで本などで知っていることがほとんどだったし
ジョブズ氏の思考の深層まで描けているか、と言えば
yesとは言えないけど、
「表層的だ」で切り捨てるほど
ひどくはまったくない。
なにより演じるアシュトン・カッチャーに
予想以上の説得力があったことに、ホントに驚きました。
もともと外見が似てる、とは言われていて、
本人もジョブズ氏を信奉していたそうですが
(ジョブズ氏の写真。プレス資料より)
いや顔だけでなく、
周囲から頭ひとつ分、飛び出ているその背格好も
コミュニケーション能力の高さや、人を動かす能力、
そのカリスマ性を表現するのに、説得力がありました。
彼だけでなく
ウォズ役のジョシュ・ギャッドも雰囲気うまく似せてるし、
スカリー役のマシュー・モディーンも
あれ?本人こんな顔だっけ?っていうくらい似てて(笑)
別に映画は“そっくりさん合戦”である必要はない。
けど、
この人物のこのネタは、
これがけっこう重要だったなと感じました。
大きくとも主軸でないエピソードはビュンビュン飛ばしていく
構成も悪くないし。
願わくは天才の発想の源に
もっと踏み込んでほしかったけど
そのあたりは、抽象的な処理で物足りない。
それでも
彼の非情な面や、“美”へのこだわり
なにより「ビジョン」を重要視した
その功績を、知るには十分。
80年代後半、Macに触ることから仕事が始まった自分的にも
あの時代の「情熱」を懐かしく思い出しましたよ。
「道なき道を行け」というこの偉人の足跡は
いま、あなたが触っているかもしれない
その“モノ”に直結しているんだから。
ホント、すげえなあ・・・。
★11/1(金)から全国で公開。
「スティーブ・ジョブズ」公式サイト