ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

眠れる美女

2013-10-17 23:46:36 | な行

イタリアで、尊厳死をめぐってこんな大事件があったなんて
知らなかったなあ。


「眠れる美女」70点★★★★


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2009年、イタリアで一人の女性の尊厳死問題が
全土を揺るがしていた。

21歳で事故に遭い、17年間昏睡状態にある女性への
延命治療の中止をするか否か、で
国中が「そんなことは殺人だ」「いや人助けだ!」と揺れていたのだ。

そんななか、
延命を続行させるかを悩む議員(トニ・セルヴィッロ)、

昏睡状態の娘を見守る元女優(イザベル・ユペール)、

自殺願望のある女性を救おうとする医師(ピエール・ジョルジョ・ベロッキオ)らの

3組の物語が同時に進行していく――。

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「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女」の
マルコ・ベロッキオ監督の新作。

「ムッソリーニ~」はエモーショナルながら、少々退屈だったんですが
これはいいですね。

2009年にイタリアで実際に起こった
植物状態の女性の尊厳死問題を基にしており、

実際に
国中がニュースに釘付けになり
尊厳死を認めることは「人殺し」か「人助け」か――?
揺れている最中に、

3組の人々のフィクションの物語が同時進行で紡がれるという体。

テーマは難しいけど、
スリリングな雰囲気の盛り上げも、
3つの話の絡ませかたもうまいので

映画として、単純に楽しめると思います。


すごいなと感心したのは
日常を生きる人々の営みのなかに
「死」や「愛」が存在する様子を、
セリフではなく、絡み合う視線や
緊迫する視線で表現できちゃうってとこ。

これは
監督の技か、俳優の力か。
はたまた
イタリア人の国民性なのか、目の筋肉の違いか(笑)


邦題はシンプルに「眠る女」でよかったんじゃね?と思ったんですが
原題がそも「眠れる美女」でした(笑)


★10/19(土)からシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開。

「眠れる美女」公式サイト
コメント
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