イタリアで、尊厳死をめぐってこんな大事件があったなんて
知らなかったなあ。
「眠れる美女」70点★★★★
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2009年、イタリアで一人の女性の尊厳死問題が
全土を揺るがしていた。
21歳で事故に遭い、17年間昏睡状態にある女性への
延命治療の中止をするか否か、で
国中が「そんなことは殺人だ」「いや人助けだ!」と揺れていたのだ。
そんななか、
延命を続行させるかを悩む議員(トニ・セルヴィッロ)、
昏睡状態の娘を見守る元女優(イザベル・ユペール)、
自殺願望のある女性を救おうとする医師(ピエール・ジョルジョ・ベロッキオ)らの
3組の物語が同時に進行していく――。
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「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女」の
マルコ・ベロッキオ監督の新作。
「ムッソリーニ~」はエモーショナルながら、少々退屈だったんですが
これはいいですね。
2009年にイタリアで実際に起こった
植物状態の女性の尊厳死問題を基にしており、
実際に
国中がニュースに釘付けになり
尊厳死を認めることは「人殺し」か「人助け」か――?と
揺れている最中に、
3組の人々のフィクションの物語が同時進行で紡がれるという体。
テーマは難しいけど、
スリリングな雰囲気の盛り上げも、
3つの話の絡ませかたもうまいので
映画として、単純に楽しめると思います。
すごいなと感心したのは
日常を生きる人々の営みのなかに
「死」や「愛」が存在する様子を、
セリフではなく、絡み合う視線や
緊迫する視線で表現できちゃうってとこ。
これは
監督の技か、俳優の力か。
はたまた
イタリア人の国民性なのか、目の筋肉の違いか(笑)
邦題はシンプルに「眠る女」でよかったんじゃね?と思ったんですが
原題がそも「眠れる美女」でした(笑)
★10/19(土)からシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開。
「眠れる美女」公式サイト