フランソワ・オゾン監督、
最高のミューズ(男)に出会ったようです。
「危険なプロット」72点★★★★
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高校の国語教師ジェルマン(ファブリス・ルキーニ)は
日々、生徒たちのつまらない作文を
うんざりしながら添削していた。
そんなある日、彼は
ひとりの男子生徒の作文に心を掴まれる。
しかし、作文は
「続く――」で終わっていた。
作文を書いた生徒クロード(エルンスト・ウンハウワー)に
文才を感じたジェルマンは
彼に個人指導を申し出るが――。
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凡庸な生徒たちのなかに、
際立った“才能の片鱗”を発見した高校教師。
教師は、その生徒が書く作文の
「続きが読みたい!」と渇望し、
それがサスペンスを巻き起こしていくという仕掛け。
若い才能の火を消すまい、消すまいと奮闘する
中年教師の姿がおかしくも切なく、
皮肉や風刺のスパイスも効いていて、
オゾン節のうま味が詰まってると思います。
さらに映画を通して
「物語を作るとは、どういうことか?」を
教えてくれているような感じがあって、これがおもしろい。
「ストーリー・テリングの妙」を
体験させながら教える
「オゾン・メソッド」のようでもあるんですねえ。
これ教える立場の人とか、教材にならないかな?(笑)
教師役のファブリス・ルキーニは
「屋根裏部屋のマリアたち」(10年)が印象に残ってる俳優で
冴えない中年っぷりがハマるし、
彼を“虜にする”生徒を演じる
エルンスト・ウンハウワーが
ちょっとヒネた端麗な容姿で、これまたピッタリで。
監督、いい人材発掘しましたね。
★10/19(土)からヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマほか全国で公開。
「危険なプロット」公式サイト