「清濁併せ呑む」という言葉がありますが、体は、食べたものつまり「清濁」をきっちり分けます。
清は体の役に立つ形に変えて(代謝して)利用し、濁は排泄(排便)します。
それを果たす最初の砦は胃腸です。
中医学では、「清」を「水穀の精微(栄養物質)」といい、これをもとに様々な気と血と津液を生成します。小腸をはじめとするこの働きを「脾」と呼びます。とても大切な働きですね。
脾の力が弱い(脾虚)と、すぐお腹がはったり軟便がちだったり食欲が湧かないなどの症状が現れやすく、全身の栄養が足りなくなって疲れやすく、いわゆる「ひ弱(脾弱)」な体質になってしまいます。
バランスよく、規則正しく、旬のものをよく噛んで食べることです。
安易な間食(例えば甘いおやつなど)で紛らす人がいますが、血糖値が上がるだけで、体は元気になりません。
ひ弱では病邪を駆逐することはできませんよね。
体質改善を目指す場合、よく胃腸を元気にする漢方薬が勧められるのですが、その理由はこのようなことからです。
(ツバメの子供たちも元気に成長し、今後は集団育児になるみたい。民家の屋根に集まったツバメ)
ちなみに、気血津液を作り出す(新陳代謝)過程で発生する不要な水分は、汗や尿として排泄されます。
これが停滞すると、むくみや「痰」が生じて重だるい体になってしまいます。太りやすいという人は、「脾虚」の体質であることも多いのです。
(脾虚の漢方薬も様々あります)
毎日ひどい暑さが続きますが、冷たいものを食べたり飲んだりして胃腸を冷やすと、その働きが止まって、大切なエネルギーが体の隅々に行き渡りません。温かいものをよく噛んで食べてください。夕食は食べ過ぎず軽いもので済ませ胃腸の負担を減らすほうがよいでしょう。
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