アーバンライフの愉しみ

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不破哲三・渡辺治共著「現代史とスターリン」

2017年12月27日 | 読書三昧

不破氏の大作「スターリン秘史」全6巻が提起したスターリンをめぐる世界史的な論点を、渡辺氏の視点から再提起し、両氏が議論を深めたもの。350頁の大作。

渡辺氏は、「スターリン秘史」に関し、”スターリンを通じて現代史の見直しを図ろうという作品になっている。内容の重大さから全6巻はめっぽう面白く、毎回、刊行されるのを楽しみにした”と述べている。

この点は小生も同感で、全6巻の読了に概ね2年を要したが、この間、一度として興味を失うことはなかった。それほど、不破氏が提起したスターリン独裁の害毒のひどさには唖然とした。

本書では、論壇で提起されている別の見解について、再度、不破氏の意見を尋ねている。

例えば、独ソ不可侵条約の締結に関して、ソ連の防衛的意図にもとづくものとの解釈が一般的だが、不破氏は、スターリンの領土拡張を意図した覇権主義が主たる要因としている点などである。

いずれにせよ、不破氏の大作が提起した問題点をさらに理解する上で貴重な文献となっている。

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