日本文芸家協会編「代表作時代小説」第60巻、平成26年版。過去1年間、各誌に掲載された約270編の短編時代小説から、選りすぐった17編が収容されています。
名の通った作者は、北原亜以子、葉室麟、伊藤潤氏くらいで、大半は新人による作だが、多くの中から選ばれただけあって、どの短編も読み応え十分。
物語~宮本紀子著「約束」:幼なじみで、大店の一人娘「お路」のひどい仕打ちにも耐えて来たのろまの「彦一」だったが、ある日、大店は倒産、夜逃げしてお路も行方知れずとなった・・・。
一途に思いつめ、恋い焦がれた相手は、借金のカタに吉原に売られて身をひさぐ境遇に変わっていた。しかし、主人公の彦一の彼女に対する一途な思いは変わらず、何としても身請けして苦界から救いたいと悪の道に踏み出す。
結果は、彼自身も騙され身を亡ぼすことになるのだが、何ともつらく悲しい物語だ。
こうした当時の庶民の生活実感のある作品は、それだけで強い説得力を持つが、そこに若者の一途な恋をからませ、短編ながらも読者の感動を呼び起こす。ご一読をお薦めします。(お勧め度:★★)
名の通った作者は、北原亜以子、葉室麟、伊藤潤氏くらいで、大半は新人による作だが、多くの中から選ばれただけあって、どの短編も読み応え十分。
物語~宮本紀子著「約束」:幼なじみで、大店の一人娘「お路」のひどい仕打ちにも耐えて来たのろまの「彦一」だったが、ある日、大店は倒産、夜逃げしてお路も行方知れずとなった・・・。
一途に思いつめ、恋い焦がれた相手は、借金のカタに吉原に売られて身をひさぐ境遇に変わっていた。しかし、主人公の彦一の彼女に対する一途な思いは変わらず、何としても身請けして苦界から救いたいと悪の道に踏み出す。
結果は、彼自身も騙され身を亡ぼすことになるのだが、何ともつらく悲しい物語だ。
こうした当時の庶民の生活実感のある作品は、それだけで強い説得力を持つが、そこに若者の一途な恋をからませ、短編ながらも読者の感動を呼び起こす。ご一読をお薦めします。(お勧め度:★★)