LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

第50回神戸ミーティングを行いました。

2012年09月02日 | ミーティング
7月22日(日)、第50回神戸ミーティングを行いました。ゲストに神戸市看護大学教員の藤井ひろみさんをお迎えし、今年研究のために行かれたオーストラリアとアメリカでのフィールドワークのご報告をしていただきました。参加者は28名、初めての参加者は6名でした。

藤井さんのお話とパワーポイントで映していただいた写真からは、どちらの国でもLGBTの存在は既に当然のごとく理解されている様子がよくわかりました。例えば一般の病院にもLGBTの人たちの家族形成のための情報が貼り出されていたり、またLGBTコミュニティのビルが一般市民のために使われていたりと、日本では考えられないような場面がいくつもありました。メルボルンのPFLAG(欧米のLGBTの家族や友人による団体)の事務所には、高齢のLGBTへのハウスキーピング派遣のチラシもあったとか。うらやましいというか情けないというか(笑)、他のことでは先進国と言われる日本が、一体どうしてここまで遅れをとっているのか、不思議な気持ちさえしました。そして藤井さんがサンフランシスコを「360度から元気をもらえる街でした!」と言われた言葉がとても心に残りました。

偶然にもこの日の初参加のお一人がアメリカのボストンの大学に行かれて5年目という方で、一時帰国の合間をぬって参加してくださり、同じくアメリカの様子を話してくださいました。女性ジェンダー学を学ばれている彼女は、LGBTとアライ(支援者)でセーフティ・スペースを作っているという団体でインターンシップをされていたこともあるそうです。こんな団体があることもまた驚きの一つでした。

日本がこのような状況に追いつくのに一体あと何年かかるのだろう・・・??と思うとため息が出ますが、日本でもうれしい動きもあります。週刊経済誌の『ダイヤモンド』と『東洋経済』の二誌が7月14日号で同時にLGBTの特集を組んでいます。どちらも15ページ前後に亘る大特集です。経済誌ですからLGBTを巨大市場と捉えての特集ですが、基礎的な知識から日本の就職や職場環境の現状、医療・介護・住宅に至るまで取り上げ、欧米、特にアメリカとの違いを明らかにしながら、当事者からの提言なども交えて、経済界への大きな啓発となる内容ではないかと思いました。

ところでみなさんは「ピンクシーリング」ってご存知ですか?最近のアメリカではこの「ピンクシーリング(ピンクの天井)つまりLGBTが昇進できる限界が、LGBTから注目されているとのこと。「かつて女性にとっての”ガラスの天井“があったように,LGBTがある一定の役職から昇進できていないと、LGBTはその企業の評価を下げる。企業がいかにLGBT向け広告に資金を投じ、LGBTの喜びそうなサービスや商品を開発したとしても、ピンクシーリング撤廃などの社内制度が同時に充実していなければ、LGBTからは無視され、評価は下がる一方・・・」

大阪・神戸米国総領事のパトリック・J・リネハン氏(日本でゲイであることをオープンにしている総領事)のコメントにはこうありました。
「米国ではLGBTを認める企業も増えている。“フォーチュン500”の中で、差別排除のポリシーを掲げている会社は多い。その理由は二つある。一つはそれが社会的に正しいから。そして人種や性別などで差別しない会社の製品が顧客に支持されるからだ。環境に優しい会社の製品が支持されるのと同じことだ。」
そんなこと何も考えないで日々買い物してきた私・・・(汗)このような消費者の目を持つこと、社会を変えるには大切なことなのですね。改めて痛感しました!!



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