6/22(日)文楽劇場
【演目】
万才
菅原伝授手習鑑
寺入りの段
寺子屋の段
卅三間堂棟由来
平太郎住家より木遣り音頭の段
お待ちかねの文楽若手会です。
私は三回目(三年目)なのですが、若手会の楽しみは、ああ、この人がこれを!と見守るところにも。
50代でもまだまだと言われる文楽の世界、大きな経験をする、そのステップのひとつを観客として楽しめることは幸いです。
今回はおなじみだった方が“若手”から抜けられていたり(それはそれでさびしいファン心理)、“はじめての”を経験されているのをじっと見つめたり、若手の皆さんの精進を感じていたのでした。
さて、舞踊的な「万才」から。
席が床のすぐ下で舞台を見るより床が近い、近い。恥ずかしくなるほど近い(なぜ、恥じらう?!)。
でも、床をがん見。
なんせ、午前中は義太夫のお稽古を受けておりましたから。
当たり前のようにみなさん床本をご覧になられません。床本暗記必須、と自分に言い聞かせる。
「菅原伝授手習鑑」、咲寿さんから。はじめて床のくるりっの登場だったそう。そして、私の席の近くにはお友達と見受けられる若い方々が。床が若いと客席も若い…。咲寿さんは若い方への発信にも熱心です。語りも若々しいんですけど、まだ少ない観劇経験から比較しても「あ!」と思うほどに変わりはったぁ…と体感。若手会のだいご味ですね。
大夫さんは続いて、靖大夫さんへ。
すごかった。すごい熱演。汗がぽとぽとと黒い着物にしみこむのを茫然と見ていました。
全身全霊の語り。呼応するかのような清志郎さんの三味線。圧巻でした。
後半は、芳穂大夫さん。細やかにそれぞれの想いが語りに。ひとりひとりのキャラが入れ代わる瞬間が鮮やかでした。
「卅三間堂棟由来」前の公演の時にも書きましたが、研究室の先輩が「異類婚姻譚」をテーマに論文を書いていて、おっとこれを書こうとしたら興味深いところに行きあたったのでまた改めて。
なんしか、「芦屋同満大内鑑」で文楽にはまった私としては、こういう話に弱い。ちゃんと劇中でもそこは言及されていたり。
こちらは前半を小住大夫さん、後半を睦大夫さんが語られました。
人形の方々もきっと先輩方が横についておられ緊張の連続だったかと。
たいへん満足&堪能して、年に一度のお祭りを終えた気分になりました。
終わってからは、となこさんとスイーツタイム。
アメリカンチェリーのパイを食べました~。