昨日、関西テレビの「ニュースアンカー」で、脳梗塞からの復帰~“芸の鬼・住大夫”というのが放送されていました。
ダッシュで家に帰ってみましたよ。
番組の内容
80人あまりいる技芸員の中で最長老の竹本住大夫さんは自他ともに認める厳しい太夫です。
ここで、お弟子さんへの稽古風景。
ばか!どあほ!どんな耳しとんじゃ!
住大夫さんの稽古を受ける小住大夫。
インタビュー
「情を伝えるには芸の善し悪しもありますが、40~50年かりますなあ。
僕も22歳から文楽に入って、60歳済んでからですな。浄瑠璃ってよくできてるな。ええもんやなと思うようになったんは」
昨年の文楽の危機、会議をはじめとする激務で脳梗塞に。
闘病やリハビリの姿は見せたくない、とその姿はお弟子さんにしか見せていませんでした。
「毎日病院でやめようか、舞台へ出たいけどやれるやろうかとそんなことばっかり思うてね」
ここで1月の復帰公演の様子を写真で紹介。
相三味線の野澤錦糸師のインタビュー。
「うれしい、その反面でやっぱり緊張しましたよ。お客さんの反応もあるし。ひと芝居ごとによくなっている」
~「伊賀越道中双六」沼津の場面~
菊池寛賞の受賞理由は、
「昨年、病気で倒れた後もリハビリを経て舞台に復帰。語り続ける情熱に対して」
受賞の挨拶
「いくつ、何十になっても褒美をもらうということはええことでんな。うれしいです。
文楽は最大の危機でんねん。
大阪の橋下はんがね、芸術・文化にもひとつ関心のうて。大阪で生まれ育った文楽。
皆さん、どうぞよろしくご後援くださいますようお願い致します。
住大夫さんの次回公演は1月初春興行の「近頃河原の達引(ちかごろかわらのたてひき)」
インタビュー
「完全には治らんって言われたけど7分、8分通りまで治ってなるべくお客さんの期待に
「なんや住さん、そんなんかいな。あんなんやったら出んでもええがな」と言われたくないから
もう正月の稽古にかかってんねん。
終着駅はないな。
もう100点は絶対にとれん。死んでからも稽古に行かな」
住大夫さんの修行に終わりはありません。
番組は、アナウンサーの「文楽の補助金問題ですが、支給額は1月公演の観客動員数で決まります」で締めくくられました。
この前、住大夫さんの本を読み終えたところもあって尚更、お言葉のひとつひとつが響いたのですが…
観客動員数で補助金決めるってなんじゃーーーーーーーーい!
いかん、取り乱してしまった。私にできることは観客動員数を一人分でも増やすこと。そうだそうだ。
昨日も書きましたが、芸自体がファストと対極にある分、観客の理解度も観劇数を重ねるごとに増していくものだと思います。
分かりやすさ、手軽さを求める昨今にあって、敷居が高いのかもしれませんが、知識がなくても揺さぶられる感動に出会う時があります。
観客自らがその世界に飛び込みたいと思えば思うほど味わいも深くなっていくのが古典芸能です。
いつかそのうちではなく一回でも早く、一回でも多い方がいいですよ、観劇体験は。
他者を排除する愛国心より、文化を愛する人を育てるべきだとおもーう!
私が浄瑠璃を語れないのも邦楽を教えない学校教育が悪いんだ!いや、それは違うか…。
ということで来年はぜひ文楽劇場へ!