原爆の 時計を重ね 地震島
馬糞 Bafun
玄界島は今も地震の時を刻んで止まった古時計のよう
に瓦礫のままだった。
数年ぶりに玄界島にわたってみた。
渡船は波頭にぶつかって揺れた。
2005年4月の地震から半年たった今でも、全島崩
壊をさらしていた。
切り立った宅地の坂道には瓦礫の山が氷河のように迫
っていた。
漁師たちは仮設住宅に単身赴任して漁に出ている。
漁協の長老は過労で著しく体調を崩していた。
玄界島支援イベントを企画した取材で、
漁協の代表にインタビューをした。
「玄界島から激励の言葉を・・・」
「私たちは激励される側なのに、なぜ・・・」
・・・
彼らは逆境と同時にチャンスの中にいたのに・・・
逆境は、彼らの独占物ではないというのに。
与える愛こそは、逆境の中に真価を発揮するものであ
る。
チャンスは逆境の顔をしてやってくる・・・
J.D.Subunroco.