由布岳
山里の 百万ドルの 虫の声
馬糞
久しぶりに帰った実家は浦上川の上流域というべき山里にある。
かつては隠れキリシタンの里だったようで、墓地には十字架が多い。
自分が育ったところではないが、長崎には違いない。
江戸の時代にはまだ、金が産出されたらしい。
土着民にはみかん農家が多いが、伴天連である。
周囲を山に囲まれているから、携帯電話はつながらない。
テレビも映らないから有線TVである。
いまどき水洗トイレもない。
下水が通らないからだ。
だから、少し田舎の雰囲気がある。
星が際立って美しい。
かつて、ここで大方の星座を覚えたものである。
一生一度見れたら幸いという火球を見たこともある。
山に衝突したかと目を丸くした。
火球というのは巨大な流れ星である。
夜、戸外に出てみると、その谷あいの里一面に虫たちが鳴いていた。
それが何とも見事な夜景のようであった。
朝五時頃には、ヒグラシが高原の夏を演出していた。
ところが、6時頃になるとピタッとなきやむのである。
一夜のステージであった。
田舎には、都会に失われた天然自然の潤いがある。
全国のそうしたところに散歩道を整備して、ウォーキング観光を推進すれ
ば生涯スポーツに代わる健康と観光が楽しめるであろう。
遊歩道を整備するのである。
歩行困難な人も歩けるように、歩行補助具も整備する。
公衆電話も設置する。
自治体の仕事であるが、公務員には発想がない。
議会は、大いに民間の発想と提案を入れて、有益な都市整備を進め
てほしい。
Bafun