新型コロナのワクチンについての日本政府の対応は失態続きである。まず、ワクチン接種率は、先進国としては最低レベルである。100人あたりの接種完了人数(4/6現在)は、1位イスラエル 53.19人、2位UAE 22.39人、3位チリ 20.29人、4位 米国 18.66人、5位トルコ 8.54人、6位英国 8.15人、7位シンガポール 6.59人と続いているが、日本は、0.9人とOECD37ヵ国の中では最下位である。アジアでは、中国が9.6人、インドが5.6人、インドネシアが4.5人、韓国が1.9人であることを見るといかに日本がひどい状況にあることがわかる。これは、明らかに日本政府の失策である。
また、ワクチン開発競争にも日本は完全敗北している。未だに、日本製のワクチンは開発されていないし、目途も立っていない。株を持って応援しているベンチャーのアンジェスでさえ、政府の支援を十分受けることができず、ワクチンとして承認を得る目途も立っていない。日本政府の力の入れ方がいかにひどいかがよくわかる。ノーベル賞を受賞するような人材を多く持つ日本がワクチンひとつ開発できないのは、政府が本腰を入れて対応していなかった証拠である。
遅ればせながら、日本でもワクチン接種が医療従事者から始まったが、調達遅れから、完了した人は、まだ1割程度で、1回目の接種でさえ、2割程度のようである。高齢者への接種が、4月12日から開始と政府が公表したことから、医療従事者への接種も完了しない段階で、高齢者接種がスタートするという混乱ぶりである。供給スケジュールも不確定なので、さらなる混乱は必至である。
八王子では先着順で受け付けを行ったところ、あっという間に予約が埋まり、前途は多難である。政府としては高齢者への接種を急ぐばかりで、政府の焦りが目に浮かぶようである。自分達の失政を覆い隠して目立たなくしようという意図は明らかであるが、供給体制が見通せない限り、さらなる問題発生は目に見えている。コロナ対策は無策で、何も有効な対策を取ることができないので、ワクチン接種に期待したいところかもしれないが、そうは問屋は卸さない可能性が大である。
変異種の拡大もどんどん進んでいるし、大阪での感染拡大及び医療体制の逼迫は目を覆うばかりで、東京への拡大も時間の問題である。ここに至ってもオリンピックの開催強行など論外であることを菅政権は理解していないのが残念な限りである。各自治体はワクチン接種対応で大忙しなのに、自治体に負担をかける衆議院解散をちらつかせるのも極めて疑問である。自分だけ先にワクチンを打って、米国を訪問し、手柄を立てようなんて、コロナにあえぐ国民への裏切り行為であるといえる。
ワクチン接種問題について、一月万冊でも自民党政権の絶望のコロナ対策を厳しく批判している。
一月万冊(4/9): https://youtu.be/3q7WQU1p49U