平成湘南日記...一語一絵

あせらずゆっくりのんびりと
花とニャンコとクッキング
時々俳句とデジ散歩
自称カメラ小僧の気まぐれ風まかせ日記

人形と虫の造形展

2011-05-14 18:38:27 | 美術館めぐり
市内在住の創作人形師、下園功さんの個展を見て来ました。
下園さんは、ウチの奥さんが勤めていた保育園で一緒に勤務をされていた方のご主人。
人形師として有名な辻村寿三郎(旧名・辻村ジュサブロー)氏とも一緒に仕事をされているとのこと。
館内は、写真撮影禁止でしたが、知人ということで特別に許可して頂きました。
貴重なからくり人形たちや、擬人化した真鍮製の虫の造形作品の数々。
素朴な中にも緻密で今にも動き出すのではないか、ふとそんな不思議な世界に引き込まれました。
この人形たちはきっと夜になるとひそひそと喋りあったり辺りをじっと見回したりしているのではないかと...


<展示会カード>
このカードの絵が、からくり人形“がぶ”の三態。
最初はごく普通の可愛いおばあさん、徐々に角が生えてきて、最後にはやまんばに変身。
ユーモラスでどこか温かみも感じられるやまんばです。

数ある人形の中で特に気に入ったのがこれ。

作品名:朝(娼婦)
昭和33年、ある法律が施行されたの朝こと。
一人の女が店から出てきて、茫然と佇んでいる。
(今日からどうやっておまんま食っていけってのさぁ。
それにしてもアタイたちの仕事を取り上げるだなんて、なんてことをしてくれたんだろうねぇ。)



<左右から見る>
夕べの化粧がまだ残っているそのおも差しには、先行きの不安とやり場のない無念さ怒りが実によく表れているように思います。

展示会は展示と同時に販売会も兼ねていて、本当は上の「朝」という人形が買いたかったのですが、高額だったのとすでに約定済みということで諦めました。
で、買ったのが下の2点。

<(左)魔女、(右)笹舟>


[動画]人形と虫の造形展
いくら撮影許可の上とは言いながら、少し遠慮がちに撮ったので作品一点ずつクローズアップとは行きませんでした。(言い訳...(^^ゞ)


[フォトチャンネル]人形と虫の造形展

疲労困憊

2009-05-28 10:31:59 | 美術館めぐり
昨日は平日で晴れ。
絶好のアート日和、と思いつつ上野は「阿修羅展」「ルーブル美術館展」へと出かけました。
先週bookmarkしておいた、阿修羅展の待ち時間情報を流している携帯サイト。
今週になって状況を確認したところ夕刻になっても60~80分待ちでした。
平日だからすいているだろうという予想は実に甘かったっすねえ。
開館時間の9:30、私たちはまだ小田急電車内。
携帯で確認すると何とすでに待ち時間60分...あ~ぁ。

上野駅公園口を出て交差点を渡ってすぐの処に当日券売り場があったので早速両展の入場チケットを購入。
「阿修羅展」の待ち時間は80分になっていました。

上野公園内にある「東京国立博物館平成館」へと。
待ち行列の最後尾を見つけて並びました。
平成館はまだ視界に有りません。(10:50am)

列に並んで約15分、平成館が見えてきました。
十重二十重はオーバーとしても、幾重の列になっているのか分かりません。


不平を言っても仕方ないので奥さんと「此の木は何という木だろうね」とか「鳥がさえずっているけど姿が見えないね」などといいながら...。
周りを見ると、「東博」とマジックで書かれた“貸し日傘”を差している人たちを多数発見。
なるほどね、このような良いお天気だから主催側はこのくらいのことはやらなくちゃあ。



約10分ごとに数メートル前進を繰り返し、私は奥さんの日傘の骨に頭を何回も小突かれながらやっと...やっぱり待ち時間80分ってぴったりその通りでした。(11:10am)


入館すると勿論撮影禁止。
展示フロアは展示品・像に近づくのも困難。
お目当ての「阿修羅像」は全周を3重4重に取り囲んで、係員の人が号令を掛けながら「止まらないで前に進んでください」と言うにも、なかなか整然とはいきません。
このような時は心穏やかに見て回りたいと思うのに反して、戦いさながら。
興福寺では温湿度管理のためガラスケース越しであるのに、ここではケースから出されての展示なので後ろに回って見ることができましたが、それは展示品にとって結構なリスクなのでしょう。

「阿修羅像」整った憂い恨み哀しみの顔立ち、と8頭身の細身のプロポーションは、いかにも現代的な“イケメン”ではあるが繊細で儚さも感じさせる。
そしてその遠くを見るような自身を見つめるような眼。
150cmそこそこの高さとはいえ圧倒的な存在感でした。
他の「八部衆像」「四天王立像」、どれも重々しく様々な感情が込められ、やはり存在感十分。

ミュージアム・ショップも更に混雑。
奥さんは休憩所で座って待機。
お土産は「阿修羅像」「もっと知りたい興福寺の仏たち」「印度伝来紅茶」

<阿修羅像>


<もっと知りたい興福寺の仏たち>

列では待ち疲れ、展示観覧で揉みくちゃ疲れ、ショップでも更に人に疲れ。
奥さんも私もかなり足腰に来ました。

●幾重にも日傘の列やミュージアム 楓山人

この「阿修羅展」九州国立博物館で同7月14日~9月27日、だそうです。


館をでると、並んでる時に気付かなかった、木に黄色い花が咲いていました。(1:20pm)

<ユリノキ>
木蓮(もくれん)科
ユリに似た花の樹木の意味から名がついた。
別名:
 「半纏木(はんてんぼく)」・・・葉が半纏(はんてん)のような形から。
 「チューリップの木」、花の形から。
 「奴凧(やっこだこ)の木」、葉の形から。
 「軍配(ぐんばい)の木」、葉の形から。

休憩・昼食の後、気を入れ直して同じ公園内にある「国立西洋美術館」に向かいました。

勿論また待ち行列に並びました。(2:10pm)
待ち時間は60分。
阿修羅展で並んだ時も痛切に感じましたが、出来ることなら入館時間指定の前売りチケットを購入すべきだったと。
料金も当日券より安いはず。
何故それに気付かなかったのかなあ、そんなことを考えながら...入館。(3:15pm)
勿論撮影禁止。

ルーブル美術館展はこれまでも何度も開催され、今も六本木の国立新美術館では「美の宮殿の子供たち」と題したルーブル美術館展が開催中。
こちらは「17世紀のヨーロッパ絵画」というサブタイトル。
レンブラント、フェルメール、ルーベンス、クロード、ラ・トゥール、ベラスケスといったルーヴルを代表する画家たちの作品が。

<フェルメール「レースを編む女」>“ポストカードをscan”
思った以上の小さなサイズ(23.9×20.5cm)
フェルメールは日本で人気の高い画家と言うこともあって、小さな絵に多くの人が集まっていました。

足腰がギシギシ云うのを耐えつつ、頑張って全品一通り見て回りました。
奥さんはちょっと有名そうなのを見繕いながら摘み食い的に見た、と言ってました。
ショップでルーブル美術館のガイドブックを買いました。
いつかフランス・パリへ旅行に行く時のために。
4:50pm、館を出る。


<庭にあるロダン「かんがえるひと」>

美術館めぐりもこれだけ混雑すると、芸術鑑賞などと優雅なことは言っていられません。
最初の阿修羅展はまさに戦い、続くルーブル展は忍耐もしくは難行苦行、とは言いすぎでしょうか。

帰宅し入浴後、奥さんは腰、私は膝に、それぞれ抱えた疾患部分に、そしてアチコチに湿布薬をベタベタ貼りまくりました、...と言うお粗末な話でした。

ところで新型インフル、今日マスクをしていた人は10人に1人もいない。
精々2~3%くらいだったでしょうか。

ところでをもうひとつ、「虎が雨」ということばがあります。
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旧暦5月28日(今の暦で6月下旬から7月中旬ごろに当たる)に降る雨のこと。
1193年(建久4)年5月28日、源朝が富士のすそ野で巻き狩りをしたとき、朝のお供をした工藤祐経が宿にもどり、酒を酌み交わしていた。
夜半近く、外は激しい雷雨となった。それを待っていたかのように、曽我兄弟は部屋に乱入し、祐経を殺害し父のあだ討ちを果たした。
このとき21歳の十郎祐成は討ち死にし、19歳の五郎も取り調べられたのち、首をはねられてしまう。
これを聞いた十郎の愛人の虎御前はひどく悲しみ、泣きはらした。
そのときから人々は、旧暦5月28日に降る雨を、虎御前が泣く涙であると伝え、「虎が雨」と呼ぶようになった。
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「虎が雨」は俳句歳時記で夏の季語となっています。

東山魁夷展

2008-05-03 21:24:54 | 美術館めぐり
奥さんの連休初日、是非にということで雨予報にもめげずに出かけました。
"皇居東御苑散策"は明日にUPするということでお許しを...。

東御苑を出て紀井国坂を下って少しの所にある「東京国立近代美術館」で「生誕100年東山魁夷展」を。

昭和期を代表し世界に誇る日本画家の巨匠である東山魁夷展ということで、GW中でもあり観覧客は引きも切らず、といったところ。
いずれにしてもここでは多くの説明は無用。

東山魁夷の作品で人物、動物を描いたものは皆無だそうです。
ただ一つだけ、例外は馬。
それも束の間現れていつの間にか通り過ぎて行った、...と思われる白馬。
もしかしたら現れてさえいなかったのかも知れない。
森そのものがこの世のものとも思えない。
画伯はこの白馬に何を託したのか?


<緑響く>
これはパンフレットをSCANしたものです。