Fさんの日々の記録と山歩き

 山歩きが生き甲斐の団塊世代オッサン、ある事無い事日々感ずるままに綴っていこうと思います。

那須岳の高校生雪崩遭難事故で思う事

2017年04月01日 | 日記

 4月2日(日)

 私も幾度か歩いたが、那須岳は中腹にスキー場や温泉等の観光施設が点在し、雪山登山が比較的容易な山だ。しかし冬型の気圧配置が強まると猛烈な季節風が稜線を直撃し、茶臼岳と朝日岳の鞍部「峰の茶屋乗越」では、人が吹き飛ばされる程の強風が吹く気象条件の厳しい山でもある。

 昭和55年1月15日峰の茶屋乗越で

 同日、茶臼岳山頂部(強風と火山の地熱で雪が積もっていない。)

 その那須岳で高校生8名が犠牲になるという大きな雪崩遭難事故が発生した。恐らく主催者サイドは「学生達に雪山体験をさせてやりたい。」という善意の発想から雪山訓練を実施したのであろう。しかし多くの尊い命が喪われた現実に判断の誤りがあったと言わざるをえず、主催者側には厳しい追及の眼が向けられるだろう。

 物事が起こった後の安全な所では何とでも言えるけれど、事故直後パニック状態の遭難現場当事者に「何やってんだ。」と厳しい責めを負うのは少々酷な気がしないでも無い。

 こんな事故が起きる度に、当然の事ながら訓練の自粛が叫ばれる。スポーツ庁からも早速「高校生の冬山登山禁止」の通知が全国の教育委員会に出され、各県の高校体育連盟も自粛や中止の対応を取り始めているようだ。しかしですよ「危険だから何でもかんでも中止しろ。」という考えは、そりゃ安全だろうけど一寸安易で姑息なやり方と言いたくなる。

 ある本で「青春とは向上心とチャレンジ精神を持ち続ける事だ。」と呼んだ記憶があるが、山に青春の情熱を燃やす若者に水を差すようなやり方が果たして正しい選択なのか。たとえ困難であろうとも原因究明を徹底し、安全管理を図った上で若者の情熱に応える道こそ真の教育じゃなかろうか。・・・何て、山好き老人は無責任に思うのです。

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