透明な気圏の中から

日々の生活の中で感じたこと、好きな作家についての思いなどを書いてみたいと思います。

灰色の童話集

2015-01-10 20:41:21 | 日記

雪のち晴れ。最低気温-℃、最高気温℃。

アンドルー・ラング世界童話集第6巻「灰色の童話集」を読み終える。24編が収められており、その中の「妖精のあやまち」のあらすじのあらましを。(早口ことばのような)

 これはディンドネットという善良で気持ちは優しいが、「少し間の抜けたところがある妖精」のおはなしだ。人のためを思って良かれと思ってすることが、返って苦しみや悲しみを与えることになってしまうという皮肉なおはなしである。

妖精の国の掟によって、世にも美しいとある島の見守りを命じられた彼女は、ここを世界一住み心地の良い場所にしようと日夜考え抜いていた。姿を消して家々を巡り歩くうちに、早く大人になって好きなことがしたいという子どもたちの声や、過ぎ去りし日々を懐かしみ、あの頃にもどれたらという老人たちの声を耳にする。そこで、一計を案じ、島でただ一つのわき水に魔法をかけて、子どもが飲めばたちまち大人になり、老人が飲めばあっという間に子どもにもどるようにしたのだった。この魔法のわき水を飲んだ子どもは大人に、老人たちはあかんぼうに戻った。しかし、どちらも恐ろしい速さで年老いていったのだった。魔法の水の効き目があまりにも素早く、住民たちは恐れおののくが他に水を手に入れる方法がないままに、ひと月もたたないうちこの島の住人たちは全て死に絶えてしまった。

このおはなしは、何世紀か後に、この〈魔法の泉の島〉へ訪れることになったセルノズーラという妖精の登場をもって、新たな展開となる。長くなるのでそれは割愛するとして、最後には妖精ディンドネットの犯したあやまちに終止符が打たれることになるのだ

                                 

おはなしの中で、この魔法のいちばんむごいところは年齢の移り変わりがあまりにも速くて心構えをするひまがなかったことだとあった。かつてない高齢化社会を迎えている私たちは、この先がどうであったなら安心して過ごせるのだろうか。年齢の移り変わりがあまりにも遅くて心構えをするひまがけっこうあるような気がするのだが・・・・・・。

コメント
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