気持ち悪そうなカバー絵のせいで読まず嫌いしてたけど、間違いだった。
前橋の漫画喫茶で読んだ『シグルイ』(漫画:山口貴由/原作:南條範夫)。
江戸時代。すごく強いけどキ***な老剣士と、めっぽう強くガチガチにまじめなその弟子と、破門になった上に視力を奪われ復讐に燃える元弟子が、あんなこんなでグッチャングッチャンに斬ったり斬られたり。そんなお話。
腕がもげ、首が飛び、腸がはみ出る、なんてのは朝飯前な残酷描写が特徴だけど、劇画と少年漫画の両面を併せ持ったような独特なタッチで描かれているため、嫌悪感は少ない。むしろ、斬っても斬られても血の一滴すら流れない昨今の時代劇に比べて、違和感が少ないというか。
小難しい理屈やひねりがないシンプルストーリーながら、それが剣一筋に生きる登場人物の強さや個性を、より際立ったものに仕上げている。
三国志や西遊記のトンデモアレンジ作品(中国の事悪く言う資格ないよね)が氾濫している反吐が出そうな昨今、こういう一本筋が通った硬派な(いや、別の意味でトンデモだけど)時代劇まんがが、とても愛おしく思る今日このごろ。
なお、現在(07年8月現在)アニメも絶賛放映中(ようつべ)。残酷描写をどう表現するのかと思ったら・・・。モザイクかよ!
恐れ入りました。