「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「DEAR MAN」 法 (2)

2009年04月16日 23時49分10秒 | 「BPD家族会」
 
(前の記事からの続き)

R: 要望に対して、 相手が肯定してくれたとき、 相手が得るものを話す。

  相手が答える前に、 自分の要求に応じてくれた 相手に報いる。

  有益なことで 相手を強化する。

  「良い悪い」 「正しい間違っている」 ではなく、

  結果によって 行動が左右される。

M: 心の動きに集中する。

  自分の目的に集中する。

  その状態を維持して、 別の話題に 気を取られないこと。

  「壊れたレコード」 のように、 自分の訴えを 何度も繰り返し表現する。

  相手の非難や脅し, 話題を変えようとすることは 無視する。

  話の主導権を 相手に渡さない。

  別の話題は 今の課題が終わってからにする。

A: 自信を持つ。

  自信に満ちた 口調で話し、 適切に視線を合わせる。

  口ごもったり、 下を向いて 小さい声で話したりしない。

  要望に対して 敬意を払われるのに 相応しい人間だという 感覚を養う。

N: 交渉する。

  別の解決法を 提案したり求めたりする。

  何かを得るためには、 相手に何かを与えたり、

  自分の要求を 減らしたりする。

  ノーという答は 変わらなくても、 他にできることを申し出る。

  問題を相手に返して、 相手に解決策を求める。 (形勢を逆転する。)

 ( 交渉は 「DESC法」 が うまくいかなかった時にする。 )
 
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「DEAR MAN」 法 (1)

2009年04月15日 23時34分51秒 | 「BPD家族会」
 
(前の記事からの続き)

 「BPD家族の会」 で紹介された もうひとつの対人関係のスキル、

 「DEAR MAN」 について 書いてみます。

 「DESC法」 と似ていて、 以下の頭文字を つなげたものです。

D: describe (描写する)

E: express (表現する)

A: assert (主張する)

R: reinforce (強化する)

M: mindfully (心の動きに集中する)

A: appear confident (自信を持つ)

N: negotiate (交渉する)

 それぞれについて 説明します。

D: 自分の状況を 簡潔に描写する。

  断定的でなく、 客観的に 事実のみを述べる。

E: 状況についての 感情や意見を はっきり表現する。

  相手が こらちの心を読んだり、 思い巡らしたりすることを 期待しない。

  頼んだり断ったりすることの 根拠を、 簡単に言う。

A: 要望を主張する。

  望んでいることを要求したり、 はっきりノーと言う。

  何も言わなくても 分かってもらえると期待しない。

  相手がすべきことではなく、 自分が望んでいることを 要求する。

  回りくどい 言い方はしない。

  伝えるべき点は 何としてでも伝える。

(次の記事に続く)
 
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「DESC法」 で働きかける (2)

2009年04月14日 21時05分24秒 | 「BPD家族会」
 
(前の記事記からの続き)

 5日の家族会では、 BPDの人との間で 自分が困っていることについて、

 どうして欲しいかを 伝える練習をしました。

 まず 4つのステップをはっきりと 区別することが大切です。

 色々なことをごっちゃにして、 未整理, 無自覚のまま話すと、

 相手に感情をぶつける 話し方になってしまい、

 相手も怒って 何も伝わらないということです。

 当日は 3人ずつくらいのグループに別れ、 「DESC」 --

 「事実の描写」 「感情の表現」 「提案」 「結果の示唆」 を

 簡単に書いてみて、 語り合いました。

 僕は心子に (過去の話になりますが)、

 電話で長い時間 責められることについて書きました。

D: 事実を描写する

 「 電話で長時間、 一方的に責められる。 」

E: 気持ちを表現する

 「 僕はとても重圧に感じる。

  何とかしてあげたいが、 意見も許されないのは辛い。

  何を言っても怒られそうで ビクビクしている。 」

S: 提案

 「 電話の時間を 30分までにしてもらえないか。

  深夜は架けないでもらえるか。」

C: 結果を示唆

 「 それなら僕も受け止められて、 余裕ができ安心する。

  ダメだとしたら、 そのうち僕も 限界を超えて、

 付き合えなくなってしまう。 」


 これはもちろん 相手が落ち着いている時に 言うことです。

 もし心子に こういう言い方を試していたら どうだったしょう? 

 落ち着いている時なら 聞き入れてくれるか、

 あるいは 自分がそんな迷惑をかけているのかと 落ち込むか。

 そして実際に 感情的になった時に、 この提案を守れるかどうか。

 いずれにしても 1回でうまくいくとは 限りません。

 その時は また考え直して 対応していくわけです。

 試行錯誤の 積み重ねになるでしょう。

(次の記事に続く)
 
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「DESC法」 で働きかける (1)

2009年04月13日 22時52分13秒 | 「BPD家族会」
 
 4月5日の 「BPD家族の会」 で行なった、

 コミュニケーションのエクササイズについて 報告します。

 アサーション, 「I」 メッセージ, 

 DBT (弁証法的行動療法) の 「DEAR MAN」 など、

 自己主張の 色々な方法がありますが、

 この日おこなった 「DESC法」 も そのひとつです。

 頼みにくいことを頼む、 断りにくいことを断る時の 話法です。

 攻撃的な人でも 消極的な人でも、 相手を不快にさせずに、

 自分の考えや気持ちを 伝えるために生み出されました。

 一般的な コミュニケーション・スキルですが、

 この日は BPDの人に伝える方法として やってみました。

 「DESC」 は 次の4つのステップの頭文字です。

D: describe (描写する)

 相手との間で 問題の原因となっている 事実

( 現在の状況や 相手の言動 )を、 客観的に描写する。

 主観を交えず、 さらりと伝えること。

E: express (表現する)

 その事実に対する、 自分の主観的な気持ちを 表現する。

 「私」 を主語にして、 自分がどう感じているか を述べる。

 「あなたのせいで~」 「あなたは勝手だ」 など、

 「あなた」 を主語にしない。

S: suggest (提案する)

 状況を変えるための 解決策, 妥協策を提案する。

 具体的, 現実的であることが 望ましい。

 表現は 「~してもらえますか?」 など、 丁寧であること。

C: consequence (結果を示唆する)

 提案を 受け入れてもらえた場合、 受け入れてもらえなかった場合、

 それぞれに対して、 自分がどう感じたり 行動するか、

 予想される結果を伝える。

(次の記事に続く)
 
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動じずに受容

2009年04月06日 22時22分24秒 | 「BPD家族会」
 
(前の記事からの続き)

 苦しむ人の苦しみを ありのままに受け入れ、

 心を寄せることが、 その人の傷を 癒していきます。

 心子から 攻撃を受けても、

 一番苦しいのは 心子なのだということを 肝に銘じ、

 僕は彼女を 受容する姿勢でいました。

 そして僕は、

 「動じないこと」 「巻き込まれないこと」 を 心がけていました。

 心子が僕を どんなに非難しても、

 それはBPDが させていることであって、 彼女の本心ではありません。

 理想化とこき下ろしの両極で、 悪いときは 徹底的に批判しますが、

 いい時は そんなことはすっかりどこかへ 行ってしまいます。

( そういう蜜月があるから、 しんどい時があっても やっていけたのですが。)

 彼女の 僕に対する非難は 客観的事実ではありませんし、

 それを真に受ける 必要はありません。

 心子の言葉に 巻き込まれないように、

 自分を保っているのが 大事なことです。

 彼女の言動に いちいち反応することなく、

 常に一貫した態度で 動じないでいること。

 それは、 目まぐるしく変化する ボーダーの人に対して、

 何があっても変わらないものが この世にはあると、

 教えることになるといいます。

 また、 ボーダーの人が 感情的になっている時には、

 どんなことを言っても、 どんな態度を取っても、

 決して 功を奏することはありません。

 してもダメ しなくてもダメ、 どちらに転んでも 怨まれるという、

 ボーダーの人との 袋小路です。

 何かを伝えるのは、 相手が落ち着いている時に、 優しく語ることです。

 上から目線ではなく、 対等な立場で 話すことに留意します。

 しかしながら、 当時 境界設定という情報があったら、

 心子への対応は どうなっていたでしょう。

 違う経過や結果も あったかもしれないと考えると、 とても遺憾な思いがします。
 
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境界設定の効果

2009年04月05日 22時07分11秒 | 「BPD家族会」
 
 本日 「BPD家族の会」 に行ってきました。

 今日はまず、 ボーダーの人との

 コミュニケーションの仕方の ワークショップをしました。

 これについては 後日あらためてアップします。

 それから、 20人弱の参加者が 二グループに別れて語り合いました。

 参加者はほとんど、 ボーダーのお子さんを持つ 親の人ですが、

 家族会で強調される  「境界設定」を実行し、

 効果を上げているという話が 随分出ました。

 ボーダーのお子さんに対して、

 ここまでは良いが そこから先は許さないという 約束をしたり、

 切りなく相手にするのではなく 見過ごすことなどを、

 びくびくしながらも 試してみたそうです。

 そうするとお子さんも

 自分のやるべきこと、 やってはいけないことに 気付いていき、

 自分の言動を抑制したり、 親に 感謝の言葉を口にしたり、

 関係が良くなってきた というのです。

 先月の家族会に 出席したときには、

 どうしていいか分からないと 言っていた人たちが、

 境界設定によって 効果てきめんという感があります。

 成功や失敗を 繰り返しながら、 次第に状況は 改善されていくのでしょう。

 こうして 家族会で情報交換し、 精神的に支え合いながら

 ボーダーの子に 向かい合っていくのは、 とても有意義なことです。

 心子と付き合っていた時には 考えられなかったことで、

 とても 羨ましく思うと共に、

 ボーダーを取り巻く環境が 少しずつ進んできていることを 喜ばしく感じます。

 当時は 境界設定という情報も まだほとんどなく、

 僕は心子に対して  「受容」 することを 旨としていました。

 当初 医療機関でもそうでしたが、 受容が一番大切だと 考えていたのです。

 先立っての 一連の日記に書いたように、 僕は 最大の挫折の時期、

 同じアパートの友人に 毎日毎晩、 全面的に 話を聞いてもらったお陰で

 辛うじて支えられ、 やがて時間をかけて 立ち直っていくことができました。

 彼は僕の 命の恩人です。

http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/57319763.html

 その後、 僕はホスピスと出会い、 受容や傾聴について 学んで、

 受容の大切さを 身をもって体得したのです。

(次の記事に続く)
 
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「BPD家族の会」 林直樹先生の講演

2009年03月22日 20時03分42秒 | 「BPD家族会」
 
 今日の 「BPD家族の会」 は、

 都立松沢病院 精神科医・ 林直樹先生の講演でした。

 家族会での講演や ゲストの話の内容は 外に持ち出せないことになっており、

 レポートをアップできないのが 大変残念ですが、

 第一線で ボーダーの人たちに触れている ドクターのお話は、

 とても参考になるものでした。

 林先生は、 統合失調症の家族への講演は 何回かしたことがあるそうですが、

 BPD家族の人への話は 初めてだとおっしゃっていました。

 もっと早く こういう機会があるべきだったと 言っておられましたが、

 「BPD家族の会」 ができて、

 このような場が設けられたことは 非常に有意義だと思います。

 今日の参加者は 50人以上で、 いつもの会場の テーブルを外に出し、

 椅子を大量に運び込んでの 会になりました。

 今回は 通常の家族同士の話は ありませんでした。

 「BPD家族の会」 ではこれらかも こういう講演会や、

 ゲストを招いての 会を開いていきます。

 こうして ボーダーについての催しが増えていき、

 家族の人たちが支えられ、

 ボーダーのことが 次第に浸透していくことを 願っています。


 今日は 星和書店の社長も いらしていました。

 「境界に生きた心子」 の売れ行きは 非常にいいそうです。

( ただし今わかるのは 書店からの注文数で、

 実際の販売数は 4ヶ月くらい経たって、

 返品との差分を計算しないと 集計が出ないということです。 )

 ただ 元々の発行数が 少なかったのですが。

( 星和書店は ノンフィクションのボーダーの本を 出すのは初めてで、

 最初は慎重でしたが、 それでも 出版前の予定数の 倍になりました。 )

 ボーダーの人, 家族の人は ますます増えています。

 拙著も少しでも 人々の手に届いていくことを 祈っています。
 
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記事削除

2009年03月09日 19時48分04秒 | 「BPD家族会」
 
 昨日の 「BPD家族の会」 の記事ですが、

 代表者の方に 問い合わせたところ、

 ゲストの臨床心理士の方の 許可が取れていないということで、

 記載を取りやめることに なってしまいました。

 良い内容だっただけに、 削除しなければならないのは とても残念です。

( 昨夜 随分時間をかけて、 連載用に4日分の 記事を書いたのですが。 )

 これからもまたよろしくお願いします。 m(_ _)m 
 
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「BPD家族の会」 4回目 (2)

2009年02月12日 13時38分18秒 | 「BPD家族会」
 
(前の記事からの続き)

 昨日の 「BPD家族の会」 では、

 主催者の人から 以下のような話が出ました。

・家族の問題が、 家族の中の 一番弱い人に現れる。

 例えば 夫婦の不仲が、 息子の不登校という 形になる。

 そういう人を 「アイデンティファイド・パーソン (IP)」 という。

 悪い状態で バランスを保ってしまっているので、

 息子と父親, 息子と母親の関係を 少し変えて、 再構築していく。

 そうすると 新たなバランスが 取れるようになる。

 場合によっては、 子供に 治療やカウンセリングを する必要はない。

 親が変われば、 子供も変わり、 不登校という問題は解決する。


・目標は 小さいことからやっていく。

 いきなり大きくすると 反動が大きい。

 小さい成功体験を 積み重ねていく。

 自分が役に立っていると、 本人が実感できることがあるといい。


・子供には “暖かい無関心” が必要。

 見守っているが、 介入はしない。

 倒れる前に 手を貸さない。

 倒れてしまったときに支える。


・ボーダーの人が 問題を家族のせいに しているうちはダメ。

 本人の問題だと 分からなければ、 前に進めない。

( “お金の面倒と 尻拭いはしない” )
 
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「BPD家族の会」 4回目 (1)

2009年02月11日 21時13分52秒 | 「BPD家族会」
 
 本日も 「BPD家族の会」 がありました。

( タイトルの 「4回目」 という回数は、 僕の出席回数です。 )

 今日は 「境界に生きた心子」 の出版を 紹介させてもらいました。

 そして 約20人の参加者が、 ふたつのグループに別れて 語り合いました。

 出席者の中には、 長い苦労の末に、

 厳しい状況を受け入れ、 そこから 抜け出しているような人もいます。

 病気を受け止めて 開き直り、 ユーモアをもって 接したりしています。

 でもそれは、 限りない自殺行動も経験し、

 死も覚悟して 向き合って行った結果、

 ようやく 行き着いたものであるのです。

 生きていればそれでいいかと 思えるような境地ですね。


 心子と付き合っていた 当時と比べると、

 ボーダーに関する 情報は豊かになり、 治療する施設も 増えています。

 以前は家族の会など もちろんなかったし、 孤立しがちでした。

 新たな知識や繋がりが 得られる現在は、 とても羨ましい気がします。

 心子と僕との関係は、

 もう前に進んだり 変わっていくことができませんから。

 当時もっと 情報などがあったら、

 また違った歩みや 展開があったのだろうと思います。

 それが口惜しいですが、 だからこそ、

 ボーダーに関する理解が もっと広まっていってほしいと 望むのです。

(次の記事に続く)
 
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「BPD家族の会」 3回目 (2)

2009年01月19日 17時08分22秒 | 「BPD家族会」
 
(前の記事からの続き)

 今回の出席者は 25人ほどでした。

 前回は30人ほどで、 一人4分以内の 自己紹介 (近況報告) をするだけで、

 多くの時間が かかってしまいました。

 人が多いと 参加者同士の距離が 遠くなることもあるし、

 こういうグループでは 10~15人位が 適切な人数だと思います。

 それで今回は参加者を ふたつのグループに分け、

 それぞれのグループで 自分の話や シェアリングをしました。

 お陰で今回の方が 皆さんのお話を よく聞けたと思います。

 別グループの話を 聞けないのは残念ですが、 致し方ないですね。

 会も始まったばかりで、 試行錯誤しながら やっているようです。

 スタッフの人たちも 大変だろうと思います。

 ボーダーの専門家の人を 招いたり、 講演会も予定しています。

 貴重な家族の会ですから、 きっと より良くなっていくことを 願っています。

( 僕にも何か 協力できることがあれば いいのですが。 )


 ところで 参加者の中には、

 僕のブログを 見てくれているという 人たちもいました。

 ブログを書いている 本人を見て びっくりしたとか、

 いつも読んで 勇気づけられるとか。

( もし良かったら、 コメントなどいただければ 幸いです。  (^^;) )

 こういう所からも 繋がりが広がっていくと いいですね。  (^^)

 心子が取り持つ 縁です。
 
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境界設定 -- 「BPD家族の会」 3回目 (1)

2009年01月18日 22時28分20秒 | 「BPD家族会」
 
 今日は 「BPD家族の会」 に 3回目の出席をしてきました。

 初参加の方や、 ご夫妻で参加されている方も 多くいらっしゃいました。

 今回も 「境界設定」 の話が 大事なテーマとして 話されました。

 どこまでのことなら してもいいか、 どこから先は してはいけないか、

 その境界 (限界) を、 ボーダーの人と 予め約束しておくということです。

 ボーダーの人は 自分の言動に 責任を持つことが苦手で、

 人のせいにしたり、 アクティング・アウト してしまったりします。

 しかし、 約束を破ったら 自分で責任を取るようにと 決めておくのです。

 ボーダーのお子さんが 問題を起こしても、

 親は 子供のためと思って 助けたり、 後始末をしたりして しまいがちです。

 でも それは結局 みんな逆効果になってしまいます。

 ボーダーの人は 親に守られて 自分が困らないうちは、

 何とかしようという 自覚を持てないので、

 厳しく限界設定をし、 親は絶対に 尻拭いをしないことが必要です。

 自分が困っても 親が何もしてくれないということが 分かると、

 ボーダーの人は 自分でやらなければならないと 思い直してくるそうです。

 本人が困っても、 人に迷惑がかかっても、 本人の責任である場合は、

 親は絶対に 手を貸さないという 断固とした覚悟が重要です。

 最初は反動が大きく、 事態は 前よりも悪くなりますが、

 腹をくくって かからなければなりません。

 ボーダーの人が 泣き叫んで暴れたり、

 「死んでやる!」 などと 脅されたりすると、 初めは 親もビビるでしょう。

 でも頑張って そこをやり過ごし、 何が起きても 揺るがないようになれると、

 ボーダーの人も 変化が出てくるということです。

 親が変わることで、 子も変わってくるのです。

 そうしてボーダーの人が 自分の言動に責任を持ち、

 小さな成功体験を 重ねていくことによって、

 次第に自分に 自信が持てるようになり、

 自立していけるように なると言われます。

(次の記事に続く)
 
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「BPD家族の会」 2回目

2009年01月10日 21時30分51秒 | 「BPD家族会」
 
 今日、「BPD家族の会」に2回目の参加をしてきました。

(初参加は http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/57135099.html 参照)

 今回は 長谷川病院の遊佐 (ゆさ) 先生が 特別ゲストでした。

 遊佐先生は、 星和書店からも 著書や訳書を出されており、

 過日の ランディ・クリーガーさんのワークショップで 通訳もされた方です。

(http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/55945772.html 参照)

 また長谷川病院は、

 日本で 弁証法的行動療法を行なっている 数少ない病院のひとつです。

 遊佐先生が来られるということで 参加希望者が多く、

 僕はキャンセル待ちでした。

 夕べの深夜になっても キャンセルがなく、

 今回はダメということに なりましたが、

 今日 午前11時過ぎになって キャンセルの知らせの メールが入りました。

( 開場は午後2時 )

 急いで用意をして 参加させてもらった次第です。

 今日の出席者は 30人ほどで、

 娘さん (20~30才代) がボーダーだという

 お母さんが 圧倒的に多かったです。

 前回は お父さんも随分いらしたのですが。

 例によって 守秘義務があるので、

 会場で話された内容は ここに書けませんが、

 BPDの人との 距離の取り方 (境界設定) などの 話もされました。

 親は子供には 何とかしてあげたいと思い、

 本人が苦しんでいるのに 境界線を引くことに

 罪悪感などを 感じてしまいがちです。

 でも、 自分が元気でないと 子供を支えることもできないので、

 距離を取ることは 必要という話です。

 離れたら BPDの人も自分の行動に 責任を持てるようになり、

 うまくいったという お話もいくつかありました。

 こういう 家族の話し合いは、 情報提供になるだけでなく、

 同じ体験を している人同士の 励みになります。

 ときに 専門家の指導以上に ためになるということです。

 遊佐先生も 家族会の今後に 期待していました。

 きっとこれから 参加希望者も増え、

 活動のネットワークも 広がっていくのではないでしょうか。
 
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「BPD 家族の会」

2008年12月21日 22時04分43秒 | 「BPD家族会」
 
 今日は 「BPD家族の会」 に 参加してきました。

 今年の9月にできた、 日本で初の 家族会だということです。

 産業カウンセラーの方が 主催しています。

 今日が5回目の集まりで、 僕は初参加でした。

 10月の1回目の参加者は わずか5人で、

 もし誰も来なかったら それで終わっていたと 言っていました。

 しかし11月末に 朝日新聞で紹介され、

 12月の3回目の会は 参加希望者が激増して、

 会場が満杯に なってしまったそうです。

 そこで急遽、 新たな集まりを 2回設け、 今日が5回目になりました。

 30人の部屋が満杯で、やはり 情報がありさえすれば、

 多くの方が こういう会を求めているのでしょう。

 今日は 特別ゲストとして、 星和書店の社長が 参加してくれました。

 星和書店は 精神医療や心理学専門の出版社で、

 社長は 日本に境界例の概念が 入ってきた当初から 勉強されており、

 ボーダーにも 非常に詳しい方です。

 守秘義務がありますから、

 今日の会の話の内容を ここに書くことはできませんが、

 やはり 家族の方たちは皆、 非常に苦労して 悩んでおられます。

 恋人ならば いくら大変なことがあっても、

 蜜月があるので やっていけますが、

 家族だと 甘いできごとなどもないでしょう。

( 心子も お母さんには、甘えるなどの態度は 見せたことがないそうです。 )

 それに親は 我が子に責任があるし、 別れるわけにもいきません。

 家族の人は 苦難の中で どうしていいか分からず、

 周りからも理解されないで 孤立しがちです。

 でも決して 自分たち独りではない。

 同じ境遇の人たちが 分かち合い、

 情報交換などすることで 希望が持てたり、 癒されたりしていくでしょう。

 お互いに 支え合っていくことが大切です。

 これから日本でも、 こういう会の必要性が 高まっていくと思います。

 1月も10日と18日に 集まりがありますが、

 10日はすでに 予約が締め切られました。

 関心のある方は、 下記のHPを ご覧ください。

http://www.geocities.jp/bpdmt/index.html

 僕も ネット以外の繋がりが できればいいし、

 もし自分に 何かできることがあれば 探していきたいと思います。

 家族の会が 今後も発展していくことを 願っています。
 
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