「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

NHK 「おはよう日本」 / 「境界性パーソナリティ障害」 (5)

2010年10月23日 20時07分24秒 | 「BPD家族会」
 
(前の記事からの続き)

〈スタジオ〉

司会 「取材にあたった、 科学文化部の山室記者です。

 この境界性パーソナリティ障害ですが、

 まだまだ分からないことが 多いようですね。」

山室 「気分の波が激しかったり、 様々な症状があるということです。

 うつ病などを併発することもあるので、 診断自体も難しいとされています。

 発症の原因も はっきりしないということもあり、

 今のところ 治療に効果のある 薬もないというのが現状です。

 患者数は、 アメリカでは人口の2%と 推定されていますが、

 国内ではまだ 調査すら行なわれていないということです。」

司会 「薬以外に 有効な治療法はあるんでしょうか。」

山室 「専門の医師やカウンセラーとの 会話を繰り返して、

 不安定な気分を コントロールする訓練をするという 心理療法です。

 欧米では 広く行なわれていますが、 時間をかけて行なう必要があるので、

 日本では 診察にかかる時間が、 医療機関の収入に ほとんど反映されない仕組みが

 壁となって、 普及していないというのが現状です。

 国は 中高年の自殺対策にも 力を入れていますが、

 若者の病の 治療体勢を強化べきだと 専門家は指摘しています。」

国立精神・ 神経医療研究センター

山本俊彦医師 「若年層の自殺を考えるうえで、

 境界性パーソナリティ障害を頭に入れて、

 対応対策を考えていく 必要があると思います。」

 いろんな治療に チャレンジしていくというか、

 国にも後押しをもらいながら、 進めていくことが 必要だと思っています。」

司会 「身近に こういう症状がある人が いた場合、

 どう接したらいいんでしょうか。」

山室 「VTRの 家族会のなかにもありましたけれども、

 まずは 本人の考えを否定しないで、

 時間をかけてじっくりと 話を聞くことが大切なんです。

 そのうえで 理解のある医療機関や、 家族会のようなネットワークに

 アドバイスを求めるのが、 現実的な方法だと思います。」
 
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NHK 「おはよう日本」 / 「境界性パーソナリティ障害」 (4)

2010年10月22日 19時53分57秒 | 「BPD家族会」
 
(前の記事からの続き)

〈「BPD家族の会」〉

 医療の受け入れ態勢が 不充分ななか、 患者と家族の 模索が始まっています。

 英子さんは家族会を作り、 互いに悩みを打ち明ける場を 設けることにしました。

 英子さんの支えで 症状が安定してきた信子さんも、

 毎月の会合に参加し、 当事者として 心の内を伝えています。

家族会参加者 「自殺願望ですね。

 死にたいほど苦しいんだ ということばっかり訴えます。」

信子さん 「親が一緒になって動揺しながら 

 『どうして、 だめよ』 とか、 優しく扱われれば 扱われるほど、

 もっと 自殺してやろうかなって いう気持ちになるの。

 『どうしてそう思うの』 って 冷静に聞かれたほうが、

 何か話したいなって 気持ちになる。」

 患者や家族たちは、 支え会うことで 何とか病気について 理解し始めています。

信子さん 「お互いが話し合って、

 『こういう気持ちだったのね』 って 思えたときに、

 何か解決策の 窓口になればなって、 そう思ってます。」

(次の記事に続く)
 
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NHK 「おはよう日本」 / 「境界性パーソナリティ障害」 (3)

2010年10月21日 12時37分06秒 | 「BPD家族会」
 
(前の記事からの続き)

〈都立松沢病院〉

 この境界性パーソナリティ障害が、

 若い世代の自殺と 深く関わっていることが 明らかになってきました。

 東京都立松沢病院の 林直樹医師。

 自傷行為や自殺未遂をした患者 およそ150人を、 2年間にわたって調査しました。

 その結果、 患者のほぼ6割に 境界性パーソナリティ障害があることが分かりました。

 ほとんどが 20代から30代の若者でした。

 さらに、 退院した患者が、

 再び自傷行為や自殺未遂を行なう 再発率についても調べました。

 退院から2年後、

 うつ病や統合失調症といった精神疾患の患者では 35%だったのに対し、

 境界性パーソナリティ障害では 67%にのぼることが分かりました。

林直樹医師 「自傷行為、 自殺未遂に関して言えば、

 境界性パーソナリティ障害は かなりハイリスクの 患者だと言えると思います。

 私も実は 予想外だったんです。

 こんなに 境界性パーソナリティ障害が多いのかと」

〈奥野宅〉

 しかし患者への 適切な診断や治療が、 ほとんど行なわれていないのが 現状です。

 信子さんが 自殺未遂を繰り返す、 攻撃的になるといった症状があると

 (病院で) 説明すると、 診察を拒否されたといいます。

 断られた病院は 10箇所近くになります。

英子さん 「どこに行けばいいの? 

 このまま私たち、 先生にも見捨てられて、 途方に暮れたっていうか。

 辛かったですねえ、 あの時は……。」

(次の記事に続く)
 
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NHK 「おはよう日本」 / 「境界性パーソナリティ障害」 (2)

2010年10月20日 10時31分58秒 | 「BPD家族会」
 
(前の記事からの続き)

 奥野信子さん、 41才。

 10年前、 境界性パーソナリティ障害と 診断されました。

 発症のきっかけは、

 以前の職場で 自分の意見を 激しく否定され続けたことだといいます。

 極度の不安に襲われる 症状が続き、 仕事を止めざるを得ませんでした。

信子さん 「生きてても、 しょうがないんじゃないかなとか、

 手首を切ったりとか、 高いビルを探して 飛び下りようとするとか。

 とにかく苦しい。

 感情が苦しいので、 それをどこかにぶつけたい。」

〈奥野宅〉

 信子さんと同居する、 妹の英子さん。

 人が変わったように、 自分に頼りきる信子さんに、 翻弄されてきました。

 症状が重いときには、 毎日のように 仕事中でも

 「今すぐ帰ってこなければ 自殺する」 という 電話がかかってきました。

 自宅に置かれた 段ボールの箱。

( 「えーこ」 「えーこ」 「えーこ」 と 幾つも書きつらねてある)

 「えーこ」 という 白い文字は、 一人自宅にいた 信子さんが書いたものです。

英子さん 「苦しさとか叫びを  『えーこ えーこ』 と書いて、

 待ってたんだと思うんですね。」

 一方で、 突き放されたと思うと 暴れ、 手首を切るなどの

 自傷行為を繰り返す 姉と接するうち、 英子さんは疲弊していきました。

英子さん 「どんどんどんどん エスカレートしていくから、

 体力が持たなくて へとへとになってしまう。

 あたしも 追い詰められていって、 信子さんと一緒に 死のうかなって」

(次の記事に続く)
 
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NHK 「おはよう日本」 / 「境界性パーソナリティ障害」 (1)

2010年10月19日 11時59分24秒 | 「BPD家族会」
 
 18日 (月) の朝、 NHK 「おはよう日本」 の

 「境界性パーソナリティ障害」 の 特集コーナーを見ました。

 10分足らずのコーナーなので、 やはり無理はありましたが

(それでも 当初5~6分と聞いていたのに比べれば、 随分時間をもらえたものです)、

 とにかく テレビで放送されたということは 小さな前進だと思います。

 以下が 放送された内容です。

 ちょっと不正確な表現だったり、

 切り口がどうなのだろうと 思われるところはありますが、 まずは書いてみます。

(画面があるのとないのとで、 印象は随分 違うと思いますが。)

 なお、 登場する奥野英子さんは

 「BPD家族の会」 の副代表で、 心理カウンセラー。

 奥野信子さんは その双子の姉で、

 境界性パーソナリティ障害から 回復してきた方です。

--------------------------------------

「若い世代の自殺」

 若い世代の自殺が、 この10年間 増加傾向にあります。

(20代, 30代の自殺者は 昨年8264人)

 こうした 若い世代の自殺を防ぐ 鍵になるとされているのが、

 「境界性パーソナリティ障害」 と呼ばれる 病への対策です。

 元々は、 うつ病などと、 対人恐怖症などの神経症との 境界にあると、

 位置づけられていました。

 しかし今は ひとつの精神疾患として扱われ、 診断基準もできています。

 その特徴は 大きくふたつです。

(米国精神医学会の診断基準)

・見捨てられ不安

 家族や友人など、 身近な人から 見捨てられるのではないかという 強い不安感。

・依存と攻撃

 他人との繋がりを 強く求め 依存する一方で、

 冷たくされると 途端に攻撃的になりやすい。
 

 最近、 境界性パーソナリティ障害と自殺との関わりが

 極めて深いことが 明らかになってきました。

 患者と家族の現状を 取材しました。

(次の記事に続く)
 
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★ 緊急報告 ★  NHKで 「BPD」 放送予定

2010年10月17日 19時54分31秒 | 「BPD家族会」
 
 先月、 NHKが 「BPD家族の会」 を取材し、

 放送されるということを書きました。

http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/61140701.html

 直前のお知らせになってしまい 誠に申し訳ないのですが、

 明日 10月18日 (月) 朝7:00~8:00.

 NHK 「おはよう日本」 の中で 7~8分間、 放送される予定になりました。

 あくまで “放送予定” であり、 最終決定は 当日まで分からないということで、

 大きなニュースなどが あった場合は 延期になることもあります。

 よければ是非 ご覧になってみてください。

 少しでも多くの人が 見てくれて、 知ってもらいたいと思います。

 この番組は 視聴率も高いようで、 もし反響が大きかったときは、

 拡大枠で 番組が作られることもあるそうです。

 好評をHNKに 送ってもらうといいかもしれません。  (^^;)

 では よろしくお願いします。

〔 番組内容 : http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/61222988.html 〕
 
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「BPD家族の会」 に NHKが取材

2010年09月26日 20時54分47秒 | 「BPD家族会」
 
 今日開かれた 「BPD家族の会」 に、

 NHKが 番組放送のための 取材に来ました。

 BPDのことを 広く知ってもらい、 誤解や偏見をなくし、

 BPDの人が 社会生活を営みやすくするため、 という趣旨です。

 朝のニュース 「おはよう日本」 の中の 5~6分の放送で、

 10月中には放送する 予定だということです。

 番組の内容は、 BPDの説明, ドクターへのインタビュー,

 BPDから回復した人の話 (「BPD家族の会」 副代表の姉),

 そして 今日の 「BPD家族の会」 の 参加者の発言などです。

 今日の家族会は 二部屋に分かれて行なわれましたが、

 カメラが入る部屋には、 撮影されてもいいという 人だけが行きました。

 参加者の顔は映さず 肩から下の映像のみにする, 服にモザイクをかける,

 声は変える, 個人が特定される話は放送しない などを申し合わせ、

 実際の映像が どんな感じで映るのかも モニターでの確認もさせてもらいました。

 NHKの 充分な配慮でしたが、 逆に言えば、

 今はそれだけ ボーダーへの誤解や偏見が 強いという証拠です。

 ボーダーが正しく理解されていれば、 こんな配慮は必要ないわけです。

 誰もが顔や声を 出せるような日が、 少しでも早く来ることを 希望しています。

 そのためには マスコミ、 特にテレビの力は 大きいでしょう。

 今後も取材を 進めていってほしいものです。

 初めにTVに出る 当事者の人たちは 勇気もいり、

 リスクもあるのかもしれませんが、 一歩一歩の積み重ねが 大切だと思います。

 NHKの放送日が決まったら、 またお知らせします。

( どうせ僕は出ないでしょうが。  (^^;))

〔 番組内容 : http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/61222988.html 〕
 
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発達の凸凹

2010年02月09日 21時40分56秒 | 「BPD家族会」
 
 先日の 「BPD家族の会」 で、

代表の人が  「発達の凸凹」 という 話をしていました。

 その人は、 BPDは 発達障害の一種ではないか

 という考えを 強くしているそうです。

 そして  「障害」 というと 差別的なニュアンスがあるので、

 「凸凹」 という言葉を 使うということです。

 脳神経に 発達の凸凹 (一次障害) がある人は、

 ある部分では 過敏で傷つきやすかったり、

 ある部分は欠けていて 未熟だったりします。

 例えば、 対人関係などに過敏である, 細部にこだわる, 同時並行処理が苦手,

 疲労や身体感覚のつかみずらさ, 偏った認知 (白黒思考等),

 言語での表現が苦手 などの特徴があります。

 そういう人が  “普通の” 社会に 無理に適応しようとしても、

 合わないところが出てきてしまいます。

 そして 空気を読めないで いじめに遭ったりし、

 不登校や引きこもりなどに 陥る可能性があります。

 その他にも、 うつ状態, 摂食障害, 暴言, リストカットなど、

 BPDの諸症状が生じてくるのです。 (二次障害)

 時には、 病院で 統合失調症やうつ病と誤診されて、 大量の薬が投与され、

 衝動性の高揚などの 三次障害を起こし、

 その諸症状が BPDと思われてしまうこともあります。

 その場合は セカンドオピニオンを得て 薬を減らす必要があります。

 二次障害を解決するには、 本人の苦しさを 周囲が理解し、

 本人も ストレスをコントロールするスキル (アサーションなど) を学び、

 アクティング・アウトを防ぐようにします。

 他にも、 自分の特性を知ってもらい、

 不都合のない 感じ方や行動の仕方を 学んでいく、

 それらを粘り強く やっていくということです。

〔参考サイト:「BPD家族の会」
 「bpdmtのジオログ」 http://geocities.yahoo.co.jp/gl/bpdmt/〕
 
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巻き込まれないようにすること

2009年08月09日 21時47分59秒 | 「BPD家族会」
 
 今日 「BPD家族の会」 に 参加してきました。

 BPDである子の言動に どうしたらいいか困っているという人に、

 僕は 次のようなことを話しました。

 僕が彼女 (心子) と付き合っていたとき 一番心がけていたのは、

 自分を保つということでした。

 巻き込まれないようにすること, 動じないようにすることです。

 彼女に何か言われても、 それは BPDがさせていることであって、

 彼女の本心でもないし、 彼女の僕に対する批判は 客観的事実でもありません。

 彼女の言うことを 真に受けて、

 怒ったり落ち込んだりして 共倒れになっては、 彼女のためにもなりません。

 こちらが安定していなければ、 彼女を支えることも できないのだから。

 むしろ、 こちらを攻撃しなければ 立っていられない, 存在していられない、

 彼女の心の苦しさを 理解することが、 自分を保つ助けになります。

 怒りは 二次的な感情であって、 その背後にあるのは 悲しさだったり、

 愛情への飢えだったりし、 一番苦しいのは 彼女自身です。

(ここで、 先日の記事に書いた、

 ランディ・クリーガーさんの 救急医の例えを話しました。

http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/59487142.html  の後段。)

 勿論 そう簡単なことではなく、 疲れるし 愉快なことではありません。

 さんざん 非難され続けると、 本当に自分が 間違っているのではないかと

 思ってしまうことも、 当時ありました。

 でも 自分の常識的な感覚を 信じて、 彼女の言動に 巻き込まれないよう、

 バランスを保つことが 大切だと思います。

 そのように 一貫した姿勢を 示すことは、

 常に変化する ボーダーの人に対して、

 この世には 何かあっても 動じないものがあるのだと、

 教えることになると言います。
 
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信田さよ子さんの DVD

2009年07月12日 21時30分26秒 | 「BPD家族会」
 
 先日の 「BPD家族の会」 で、 30分ほどのDVDを見ました。

 原宿カウンセリングセンターの 信田さよ子の講義を 収めたものです。

 BPDの子供と 共依存になっている親 (特に母親) に対する

 アドバイスでした。

 以下に その内容を書いてみます。


① 起こっているトラブルが、 誰の問題であるかを分ける。

 夫の問題か 妻の問題かは 分かりやすいが、 親子の問題は分かりにくい。

 子の問題と 親の問題は分けにくい。

 (カウンセリングの際) 母親は 話をするときに主語がない。

 子供のことを 自分のことのように 話してしまう。)

 IQとは関係がない。

 分けられないから 辛くてカウンセリングに来る。

 努力しないと分けられない。

 分けられると あとは簡単。

② 子供を コントロール (支配) することをやめる。

 親のコントロールは無意識で、 “あの子のために” やっている。

 親は正しいと思っている。 自分による理解。

 親の 子供に対する理解ほど ズレているものはない。

 子供は 親の理解通りではない という自己反省が必要。

 子供に向かって 「~すれば?」 「~したら?」

 というアドバイスは コントロールになる。

③ 「 I メッセージ」 〔*注〕 の恐さ。

〔 *注: 問題について話し合うとき、

 「私は悲しい」 「私は辛かった」 など  「私」 を主語にして伝える。

 「あなたは勝手だ」 「あなたのせいで」 など 

 「あなた」 を主語にしない。

 相手を非難する 形で話さない。 〕

 I メッセージは 他者を責めないので、 関係はちょっと良くなるが、

 相手の反応を気にしていると、 I メッセージはできない。

 波風を立てないようにしようと思えば、 そうできる。

 そして 何も解決しないまま、 年月は過ぎていく。

 向き合うには 勇気が要るが、 母親より父親の方が 勇気がない。

 夫婦の問題が 再構築できていないと、 子供の問題には 立ち向かえない。

 2対1 (夫婦対子供) で 立ち向かうべきだが、

 普通 夫婦は半分も協力できない。 (せいぜい42%)

 妻は カウンセリングや色々な会などに 出席していて、 情報量が多い。

 夫はそれが我慢できず、 妻のすることを つぶす場合もある。

(実際、「BPD家族の会」 に参加されているのも、 大半が母親です。
〈稲本〉) 
 
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豊かな心を取り戻す コミュニケーション -- エゴグラム (4)

2009年05月21日 22時49分53秒 | 「BPD家族会」
 
(前の記事からの続き)

 きのうの心理テストで、 自分の心の傾向が 分かったでしょうか? 

 各項目が 8~12点だと ニュートラルだということです。

 僕は、 CPとAが高くて、 ACは大分低かったですね。

 人は 場面や相手によって、 心の状態が変わります。

 例えば、 仕事では部下に厳しい …… CP

 でも 仕事が終わると優しい …… NP

 仕事には冷静である …… A

 プライベートでは自由だ …… FC

 でも奥さんには弱い …… AC

 5つのパターンの バランスが取れているのが 望ましいとされますが、

 各項目が高すぎたり 低すぎたりする場合の、 マイナス面を書いてみます。

 CPが高すぎる …… 批判的, 権威的, 人に優しくできない

    低すぎる …… 無責任, ルーズ, ノーと言えないためストレス

 NPが高すぎる …… 過保護, 過干渉, 依頼心を助長する

    低すぎる …… 冷淡, 人に関心が持てない, 人とうまくやれない

 Aが 高すぎる …… 計算高い, 損得で考える, コンピューター的

    低すぎる …… 杜撰,流されやすい

 FCが高すぎる …… 無責任, わがまま, 子供っぽい, 未熟,
            誤解されやすい

    低すぎる …… 楽しみがない, 表情がない, 物事に興味が持てない,
            無気力

 ACが高すぎる …… 依頼心が強い, 自分を責める, 人の目を気にする,
            心身症

    低すぎる …… 反抗的, 気配りができない, 人に譲れない

 NPとFCが高いと、 人とうまくやっていけるそうです。

 CPとACが高いと うつ状態になり、

 FCだけだと 自己愛的になるようです。

 低い部分を上げていくと、 高すぎるところが降りてきて、

 バランスが取れていくといいます。

 自分の 心のパターンに気付き、 足りない部分の 言動を変えてみると、

 豊かな心を取り戻す コミュニケーションができていくでしょう。

 ボーダーの人と関わるときにも 活かすことができます。
 
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心理テストで 5つの自分発見 -- エゴグラム (3)

2009年05月20日 23時05分28秒 | 「BPD家族会」
 
(前の記事からの続き)

 以下の質問に、 「 はい (○) 」, 「 どちらともつかない (△) 」,

 「 いいえ (×) 」 で答えてください。

 ただし、 できるだけ○か×で 答えるようにしましょう。

 そして ○は2点, △は1点, ×は0点として、

 各項の合計点を 出してください。


1.部下や後輩が 間違ったことをしたとき、 すぐにとがめますか。

  (部下などがいない人は、 いると想定します。)

2.あなたは 規則を守ることに 厳しいほうですか。

3.最近の世の中は、 子供を甘やかしすぎていると 思いますか。

4.あなたは礼儀, 作法に うるさいほうですか。

5.何事もやり出したら 最後までやらないと 気がすみませんか。

6.自分は 責任感の強い人間だと 思いますか。

7.小さな不正でも、 うやむやにするのが嫌いですか。

8. 「ダメじゃないか」 「……しなくてはいけない」 という言い方を

  よくするほうですか。

9.時間やお金に ルーズなことが嫌いですか。

10.よい, 悪いをはっきりさせないと 気がすまないほうですか。

  CP/ 合計 (  )点


1.人から道を聞かれたとき、 親切に教えてあげますか。

2.頼まれたら 私に任せなさいと 引き受けるほうですか。

3.友人や家族に 何か買ってあげるのが 好きですか。

4.子供をよくほめたり、 頭をなでたりするほうですか。

5.他人の世話をするのが 好きなほうですか。

6.他人の欠点よりも、 長所を見るほうですか。

7.人が元気をなくしていると、 慰めたくなるほうですか。

8.部下や後輩が失敗したとき、 責めないで 許してあげるほうですか。

9.あなたは 思いやりがあるほうだと 思いますか。

10.経済的に余裕があれば、 交通遺児を引き取って 育てたいと思いますか。

  NP/ 合計 (  )点


1.あなたは 感情的というよりは 理性的ですか。

2.子供や後輩を 叱る前に、 よく事情を調べますか。

3.何か分からないことがあると、

  人に聞いたり 相談したりして、 うまく処理しますか。

4.仕事は能率的に テキパキと片づけていくほうですか。

5.あなたは 本をよく読むほうですか。

6.部下や後輩の 扱いにあたって、 感情的になることは少ないですか。

7.物事は その結果まで予測して、 行動に移しますか。

8.何かする前に、 それが自分にとって 損か得かをよく考えますか。

9.体の調子のよくないときは、 自重して無理を避けますか。

10.行き詰まったとき、 上の人や先輩と 冷静に話し合おうとしますか。

  A/ 合計 (  )点


1.嬉しいときや悲しいときに、 すぐ顔や動作に 現しますか。

2.あなたは 人の前で 歌を歌うのが好きですか。

3.言いたいことを 遠慮なく言うことができますか。

4.子供が泣いたり、 はしゃいだりするのを 放っておけますか。

5.欲しいものは手に入れないと 気がすまないほうですか。

6.映画や演劇など 娯楽に多くの時間をさきますか。

7.我を忘れて 子供と一緒に 遊ぶことができますか。

8.マンガの本や週刊誌を 読んで楽しめますか。

9. 「わあ」 「すごい」 「かっこいい!」 などの

  感嘆詞をよく使いますか。

10.遊びの雰囲気に 抵抗なく溶け込めますか。

  FC/ 合計 (  )点


1.あなたは遠慮がちで、 消極的なほうですか。

2.思ったことを言えずに、 あとから 後悔することがありますか。

3.無理をして、 他人からよく思われるように 行動するほうですか。

4.あなたは 劣等感が強いほうですか。

5.子供のために、 どんな嫌なことも 我慢しようと思っていますか。

6.他人の顔色を見て、 行動するようなところがありますか。

7.本当の自分の 考えよりも、 人の言うことに 影響されやすいほうですか。

8.上の人や先輩の ご機嫌を取るようなところがありますか。

9.嫌なことを 嫌と言わずに、 抑えてしまうことが多いほうですか。

10.ゆううつな気分や 悲しい気持ちになることが よくありますか。

  AC/合計(  )点

(次の記事に続く)
 
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自我状態とは -- エゴグラム (2)

2009年05月19日 15時27分59秒 | 「BPD家族会」
 
(前の記事からの続き)

 交流分析では、 自我状態を 次の3つの 心の構造に分けます。

 「 親の自我状態 (Parent) 」

 「 大人の自我状態 (Adult) 」

 「 子供の自我状態 (Child) 」

 更に 「 親の自我状態 (P) 」 と 「 子供の自我状態 (C) 」には、

 それぞれ2つの 心の働きがあります。

 「 厳しい父親 (Critical Parent) 」 (CP)

  批判的, 強制的, 支配的。

 「 優しい母親 (Nurturing Parent) 」 (NP)

  保護的, 支持的, 受容的態度。

 「 自由な子供 (Free Child) 」 (FC)

  自由, 自発的, 直感的, 創造的。

 「 従順な子供 (Adapted Child) 」 (AC)

  順応性, 従順, 協調性。

 そして 「 大人の自我状態 (A) 」は、

 理性的, 倫理的, 冷静, 客観的, 分析的な働きです。

 こうして、 5つの心の働きを 設定することができます。

 「CP」 「NP」 「A」 「FC」 「AC」。


 心理テストの質問表に 答えていくことで、

 自分はどの働きが 高いか低いかが分かってきます。

 但し、 時と場合によって 心のエネルギーの 出方や量に 差が生じるため、

 その時々で 結果は変わってきます。

 エゴグラムは 現在の心の状態を 示すものです。

(次の記事に続く)
 
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エゴグラム (1)

2009年05月18日 19時13分07秒 | 「BPD家族会」
 
 きのうは 心子の月命日でした。

 恒例のお墓参りに行ったあと、 「BPD家族の会」 に出席してきました。

 当会の参加者はいつも、 大半が BPDの娘さんの お母さんなのですが、

 この日は ボーダーの女性の パートナーである男性が

 二人も来られていました。

 「境界に生きた心子」 を読んで この会のことを知って 来たという人も。

( 拙著に 「BPD家族の会」 のチラシが 入っているんです。 (^^;))

 昨日は最初の1時間、 副代表のカウンセラーの人による、

 エゴグラムの話がありました。

 交流分析のひとつで、 知っている人も、

 すでにやったことがある人も 多いでしょうが、

 簡単に説明を記し、 そのあとで 質問表を掲載しようと思います。

 エゴグラムは 人間の言動を 5つのパターンに分類し、

 人との関わり方の 特徴をつかむことができます。

 心や行動のエネルギーが どのように出ていて、

 人と交流する時 どのような影響を与えているか、

 また相手から どのような影響を受けているかを 知る手がかりとなります。

 BPDの人と 接するときにも有効です。

 フロイトは、 「気付き」 は 無意識の洞察だと言っているそうです。

 例えば 不安や寂しさなどの 感情を自覚せず、

 無意識に抑制すると 不適切な行動になって 現れてしまいます。

 自分の感情に 気付くことで、 適正な行動に 移すことができます。

 人間は ネガティブな感情を 見ないようにしがちですが、

 エゴグラムによって 今の自分の 状態に気付き、

 ありのままに受け止めて、 向き合うようにするものです。

 人と過去を 変えることはできないが、

 自分と未来は 切り開くことができるわけです。

 心の成長は 死ぬまで続きます。

(次の記事に続く)
 
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「DESC法」 (3) 訂正

2009年04月17日 21時01分47秒 | 「BPD家族会」
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/58464155.html からの続き)

 「DESC法」 の説明に対して ミクシィでコメントをいただき、

 間違いがあったことが分かったので、 訂正します。

 「C: 結果の示唆」 ですが、

 ちょっと僕が 資料を読み落としていました。

 正しくは、 「提案 (要望) を 受け入れてもらえた場合、

 受け入れてもらえなかった場合、 それぞれに対する、

 自分が次に取る行動を 予め考えておき、 結果を示唆する」 ということです。

 「 『次に』 取る行動」 であって、

 「提案を受け入れられないことが続くと、 いつかそうなるかもしれない」

 ということではありませんでした。

 僕はエクササイズで、

 心子から電話で 長時間責められる 「事実の描写」 について、

 「電話の時間を 30分までにしてもらえないか。」 という 「提案」 をし、

 「結果の示唆」 として、

 「ダメだとしたら、 そのうち 僕も限界を超えて、

 付き合えなくなってしまう。」 と書きました。

 実は僕自身 これは気になっていました。

 自分としては正直な 結果の予想でも、

 相手にとっては 脅しのようになってしまう。

 特にボーダーの人は それに敏感だから、

 こういう言い方は 適切なのかどうかと。

 「BPD家族の会」 の主催者の人に 聞いてみたところ、

 上記のように 「結果の示唆」 は、

 「 『次に』 取る行動」 であることが 分かった次第です。

 提案を一度拒否されただけで 付き合えなくなるということは ありませんから、

 このような言い方は する必要はないわけですね。

 そして、 「受け入れられなかった場合の 結果の示唆」 をして、

 それでダメだったときは、 「S」 の 「提案する」 に戻り、

 また別の 提案をしてみるということです。

 それで解決策 ,妥協策を 求めていきます。

 心子の電話に対する  「結果の示唆」 としては、

 「僕は とても苦痛に感じながら 電話の相手を しなければならない」

 というようなことでしょうか。

 そして 新たな提案として、

 電話の時間や頻度の 落とし処を探していく ということになるのでしょうか。

 コミュニケーションが疎遠になると 両者が疑心暗鬼になっていくので、

 それを打破するのに DESCは有効だそうです。
 
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