個人情報保護は当然必要であり流出犯と情報管理責任を弁護するものではないが、現状では故人の防護意識が過剰ではないかと考えている。
巷間の噂では、氏名だけで相当な個人情報までたどり着けるとのことである。現にネットで自分の名前を検索すると、たちどころに住所が判明した。自分のようなIT音痴ですらである。ポイントカードの申込書を書いた時点で、自分の個人情報はある程度オープンになったと考える方が現実的であろう。住民登録、結婚、就職もせず、クレジットカード、電話、メールアドレス、預貯金通帳等のツールを一切持たない自給自足の生活を送る覚悟がない限り個人情報は防護し得ないのではないかと考える。
普通の市民生活を送り、かつ、便利なツールを使用する限り、個人情報の完全な防護は成り立たない。言い換えれば幾許かの個人情報を提供することによって利便と利益を享受しているとの感覚を持ち、暴露されるであろう情報と得ている利益のバランスシートは自己責任であるとの認識が必要ではないだろうか。