集団的自衛権の容認が徴兵制に繋がるとの反論がなされている。
落語に『風が吹けば桶屋が儲かる』との笑話があり、何段階かの仮定を設ければ当初の問題とは無縁の荒唐無稽な結論を導き出せる比喩として良く使われる。解説すれば《風が吹く→砂が舞い上がる→眼病が増える→盲目が増える→職業として門付けをする人が増える→三味線が売れる→材料の猫の皮が品薄になる→猫が減る→鼠が増える→鼠が桶を齧る→桶が売れて桶屋が儲かる》。
昭和30年代に、国民総背番号制の導入が議論されたことがある。赤ちゃんまで固有番号を付けて、種々の手続きを簡素化しようとするものであったが、その時も『徴兵制に繋がる』という反対理由で立法化されなかった。結果として、複雑な諸手続きが残り、事務処理のための膨大な公務員を抱え、なおかつ<年金の行方不明><120歳を超える老人の出現><未就学児童の追跡困難>等々の現象を我々に残しているとともに、日本がIT後進国に甘んじている遠因ともなっている。
将来を予測することは困難であり幾多の仮定または前提を設ける必要があるが、過度のイマジネーションを与えることは後世に禍根を残す結果を招くのではないだろうか。