東大が軍事研究を認可した。
東大は、昭和34年以降一切の軍事関連研究を禁じていたが、時代の趨勢に触発された若手研究家の造反が引き金となっての認可と報道されている。科学技術の面では、新幹線のために開発されたベアリングの技術が家電の世界で精密小型化され、ウラン濃縮のための遠心分離器に転用されたように、軍用品・民需品の線引きは不可能である。今や生活必需品となっている携帯電話、GPSは軍装備として開発されたものであり、ロケットやカメラの研究は偵察衛星や宇宙望遠鏡の存在と不可分である。また、対テロ戦オプションの一つとして軍事行動・武力行使を考慮しなければならない現状では、政治経済の分野でも軍事の知識が必要である。
軍事的要望が航空技術を進化させ、原爆を生み出した物理学が放射線治療と原発に貢献している現状。遅きに失したとはいえ東大の頭脳が軍事研究を契機として民需の特化と世界の平和に貢献することを祈るものである。