もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

黒田博樹投手の美学

2015年02月17日 | 社会・政治問題

 黒田投手のカープ復帰入団会見を見た。

 20億円でのメジャー残留より、野球人生の終焉を古巣のカープで迎える決断での入団である。『常に、この試合が、この一球が最後』と思い、巨額の複数年契約も得られる位置にありながら敢えて1年契約を続けてきた黒田投手の潔さは、将に戦国武将の風格すら感じさせる。一芸に秀でた人物は、訥弁であっても含蓄かつ秀逸の発言をする人が多い。常人には計り知れない苦悩と体験がそうさせるのであろうか、相撲協会の歴代理事長・衣笠選手・羽生選手など枚挙にいとまない。黒田投手の言葉も前出の各氏に比肩する名言であろうし、生き様は高僧・賢人そのものである。小泉純一郎、鳩山由紀夫・・・等々、晩節を汚す言動で老醜をさらす人物にとって「他山の石」として欲しいもので、黒田投手の言動は、まさに一服の清涼剤である。

 古希を過ぎて終活を求められる自分はもとより、社会の負担になりかねない高齢者にとって、黒田投手の美学と発言は範とするに余りあるものと感じている。