自民党の二階俊博幹事長が、旧民主党で現在無所属の鷲尾英一郎衆議院議員を自民党に入党させる考えであることが分かった。
幹事長は、「(入党)希望者に余程の難点がない限り、幅広く受け入れる。野党議員にも、本音は自民党に行きたかったが、自民党が満員だったから入れなかった人がいっぱいる。ケースバイケースで対応したい。自民党へ入りたいという人が多くいてもらうことは、大変力強い」と語ったと報道されている。二階幹事長は、先に細野議員の自民会派入り(将来的には自民党入党?)を承認したこともあり、幹事長の党勢拡大努力の成果とされる一方で両氏の変節と糾弾する意見もあるが、若年議員の心情の変化にこそ注目すべきではないだろうかと考える。これまでも自民党内部での派閥の興亡・党内勢力争いからの新党結成や野党の離合集散という議員の移動は茶飯事のことであったが、左派系野党議員が自民党に加わわることは余り記憶にないことである。2月12日「松下政経塾考」、2月5日「ベネズエラ考」に書いたところであるが、政治家となって日本の経綸に参画することを目指すならば、体制の中で発言力を増すことこそが自分の理想具現の近道であることに漸く気付いたことが、今回の鷲尾・細野両議員の行動から読み取れるのではないだろうか。また、両議員の行動が、そうであって欲しいと願うものである。古来から「君子は豹変する」といわれるが、与党に籍を移す両氏が君子であって欲しいものである。見切りをつけられた感がある左派系野党からはコメントが寄せられていないが、枝野氏をはじめとする指導者からは「明日の日本」が語られることもなく、モリ・カケ・データ改竄の糾弾にのみ固執する有様では、有権者はおろか政治家を目指す有為の青年をも糾合できないと思うのだが。
常々、野党の選挙区における統一候補擁立や比例の統一名簿は有権者を愚弄する手法と主張しているが、来る大阪府知事・大阪市長のダブル選挙に際して共産党は前回の選挙に引き続いて自民党の推薦候補に相乗りするそうである。共産党の小池氏は、松井知事の動きを「党利党略」と批判した上で「保守も含む幅広い共闘で勝利する。自民党政権も害悪の固まりだが、維新がやろうとしている大阪都構想は自治体そのものの破壊」と主張し、大阪都構想をつぶして維新の力をそぐためだけに共闘するそうである。爾来「共闘」するためには「小異を捨てて大同につく」のが鉄則であったが、大阪知事選にみる共産党の姿勢は「大同を捨てて小異につく」所業で、主義をかなぐり捨ててでも主張(維新の弱体化)を通そうとする「あからさまな党利・党略」の戦術と思うのだが。、