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もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

パイナップル考

2021年04月20日 | 中国

 日米首脳会談後の共同声明で、漸くに日本が対中姿勢を明らかとしたかの印象が強い。

 共同声明では、日本も香港・新疆ウイグル自治区での人権問題に加えて台湾海峡の防衛強化についてもアメリカのアジア・台湾政策に共同歩調を採ることを宣言したものと捉えている。
 自由主義社会では、台湾を失うことは尖閣諸島を失うことに繋がり、そうなれば東・南シナ海が中国の内海と化すことは早くから指摘されていた。
 これまで日本は、国際的には尖閣諸島については意志を表明するものの、台湾に関しては明確な態度を示していなかったと思っているが、今回の共同声明によって台湾問題についても真剣に向き合わなかればならない環境に置かれたと思っている。
 今後、アメリカの台湾政策はどこまで深化するのだろうか。現在の流れから推測すると正式な米台国交回復にまで至ることは避けられないと思っているが、台湾自体が独立問題に揺れている現状では、更に多くの紆余曲折は避けられないだろう。また、中国を除く各国の外交や国家戦略の永続性には、指導者が選挙で選ばれるという致命的なハンデがあるために、対中・対台戦略も各国の選挙結果によっては微妙に或いは劇的に変化せざるを得ない脆弱性を内包していると思う。
 日米首脳会談に符合するかのようにアメリカは高官を台湾に派遣しており、そんな背景を考えれば今回の共同声明は日本に対して踏み絵を迫ったことかもしれないし、日本が地雷原に誘い込まれたという一面もあるようにも思える。中国が「中国の核心的な問題に日本(日米)が踏み込んだ」と素早く反応しているのも、同様に判断していることの表れとも思える。現在、インド洋や東・南シナ海では、日米英豪印比が合同・共同訓練や自由の航行作戦を実施しており、来春までには独仏伊西も軍艦を派遣して対中示威行動に参加するとされているが、極東には関心の薄い欧州各国が消極派に転じる可能性・危険性も無しとしないと思っている。

 中国への輸出が途絶えたことによって台湾のパイナップル生産者が大打撃を受けていることが報じられて久しい。
 もともと中華料理に混入されているパイナップルすらこまめに取り除いていた自分であるが、遅ればせながら「貧者の一灯」と台湾産パイナップルを購入した。シロップ漬けにしないと食えないの都市伝説を盲信していたので、恐る恐るの体で生パインを口にしたが、年齢とともに味覚が変化(鈍化?)したのだろうか美味しく感じた。
 媚中議員・親中議員・チャイナ官僚を排除すること、適地攻撃能力を整備すること、憲法に緊急事態条項を設けること、等々には無力に近い自分であるが、ささやかな台湾支援として、今後も貧者の一灯を捧げ続けようと思っているが、パイン嫌い克服に努力しても週一は無理だろうと思わずにはいられない。