「ガーシー」と呼ばれるNHK党の東谷義和参議院議員は、未だ中東を徘徊しているらしい。
臨時国会は、旧統一教会対策、物価対策、防衛費の増額と財源等について正念場を迎え、加えて閣僚の辞任・疑惑の攻防に修羅場の様相すら呈しているが、未だ東谷議員は初当選以来登院すらしていないようで、当選証書すら受け取っていないのではと思っている。議員に対する歳費・文通費等の議員手当の行方も不確かであるが、このまま無断欠席的不登院を許して良いのだろうか。
東谷議員の獲得票は287,714票で、自民党の片山さつき議員(298,091票)と同程度の支持を得ていることになるが、東谷議員に投票した人は「登院はおろか、帰国すらせずに」芸能関係を中心としたFNS暴露に身をやつす様を何と観ているのだろうか。
それでも、閣僚の不祥事が今ほど明らかでない時期には東谷議員の不登院を疑問視する声も聞こえたが、今では殆ど報じられることも無くなった。
その時期に所属議員の不登院を問われたN党の立花党首は、「議員の政治活動は院内にのみ限定されるものではない」と擁護したが、議場外からの投票ができない現行制度下では法案賛否の意思表示すらできないのは、議員として失格であろう。東谷議員は、弱小政党の1年生議員であるので院内論戦に加わる機会も少ないだろうし、賛否の1票は与党の足軽陣笠ほどの価値も持たないとしても、有権者の意思を代弁する責任を担うべき国会議員としては、院内活動は不可欠のことと思う。
立花党首は、「東谷議員が懲戒失職になったとしても、名簿2位の山本太郎氏が繰り上げ当選するのでN党としては構わない」と言葉を継いでいるのは、政治家として極めて未熟であるとしか言いようがないように思える。そのような姿勢は、無所属や無派閥の議員に対する一本釣りが横行した時期に野党が口撃の常套句とした「数の原理」であるが、希望の党解党時の立民・国民両党の一本釣り合戦を機に解禁され、いまや永田町では禁句となるとともに戦術として認知されたもののように感じられる。
国会議員の懲罰については衆参両院ともに懲罰委員会で行うが、議員の除名(議員資格争訟)について衆院は常設の懲罰委員会で行うのに対し参院は懲罰委員会では審議できずに資格争訟特別委員会を設置して行う規則となっている。東谷議員を辞めさせることを考えれば、特別委員会の設置すら中々に困難であろうし、若し設置できたとしても「脛に傷持ち・明日は我が身」の諸氏が委員ともなれば、「御咎めなし」の幕引きすら確実であるように思う。嗚呼!!