産経新聞で面白い?記事を見た。
記事は、中国でコロナ隔離強制に抵抗する市民に対して警官?が「命令に従わなければ処罰し、3代に亘って影響するぞ」と恫喝する動画が拡散していると云う内容である。
日本でも罪人等を出した一族は、世間を憚って生きることを余儀なくされることは知られており、何かにつけて身元調べが一般的であった一昔前には縁組が破談したり就職に支障があったりしたが、個人情報尊重の機運が高まって徐々に改善しているのではないかと思っている。しかしながら、中国では未だに影響が広範囲に及ぶ連座制が健在であるらしく思える。
中国の演義を読むと、反乱者や国事犯に対しては、本人はもとより係累の全てを皆殺しにする「族滅」がしばしば登場するし、鎌倉殿の13人でも族滅に類する出来事が描かれているらしい。
「族滅」の範囲はどこまで及ぶのかははっきりとは分からないが、「眷属」や「九族」との言葉があることから相当の広範囲に及ぶものであろうと推測される。ちなみに、
眷属とは、侍者、従者、随伴者、取り巻きの者を指すサンスクリット語を語源とする仏教用語であるらしいが、狭義には「血筋の繋がっている者・一族・身内・親族と従者・家来・配下」と解説されている。
一方の九族とは、「同姓直系の者だけを数え、高祖父、曽祖父、祖父、父、自分、子、孫、曽孫、玄孫の9代」を指すとする説の他に、「傍系をも含んで父族4代、母族3代、妻族2代」とする説もあるらしい。
このことを念頭に、件の中国人警官の恫喝を眺めると、影響の範囲は「父族4代」となり、一代25年とすれば今後100年間は何らかの影響を受ける計算となる。
何かやれば100年間不利益を科せられことが制度として存在するのか、不文律ながら司法部内の規定・慣習によるものか、はたまた単なる脅しであるのか知りようもないが、新聞記事では脅された反抗者が「自分たちは最後の世代(注:子供がいない)であるから、どうぞ」と開き直っているとされているので、恫喝について思い当たるべき事実が広く知られているようにも思える。
韓国でも、一旦「親日」のラベルを張られると、本人の将来は勿論のこと末代まで不利益を被るとされるが、ブログで太平楽を書いても、妻子の肩身にまでは影響しないだろう日本の現状は、有難いものに思える。