利用者に1割の自己負担を求める障害者自立支援法は憲法違反だとして、障害者63人が全国13地裁で起こした集団訴訟で、同法廃止を掲げる民主党政権の発足後、初めてとなる口頭弁論が24日、広島地裁で開かれた。
国側は従来の姿勢を転換し、「同法を廃止して総合的な制度をつくる」として、裁判進行を3か月程度猶予するよう求め、裁判官、原告側ともこれを認めた。政権交代による政府の政策転換が訴訟の方向を大きく変えることになった。
猶予期間について、長妻厚生労働相は同日夜、報道陣に「よりよい制度を作っていくという姿勢を示した」と説明。厚労省によると、広島以外の12地裁の訴訟でも、国側は同様の対応をとるという。
障害者自立支援法は、障害者が受ける福祉サービスの利用料について、原則1割を自己負担とする「応益負担」を柱とする。原告側はこれを「憲法が保障する生存権の侵害」などと主張していた。全国弁護団の藤岡毅弁護士は今回の国側の転換について、「あくまで違憲判決を目指すが、国が(違憲判決に)匹敵する内容を示せば、判決以外の解決もあり得る」と和解の可能性も示唆した。
民主党は先の衆院議員選挙で、応益負担の原則を改め、障害者の負担能力に応じた利用料を求める新制度の制定を公約に掲げていた。長妻厚労相は今月19日、公約通り同法を廃止すると明言していた。廃止の時期や新制度の内容は明かされておらず、今後、与党で検討を進める。
ただし、この集団訴訟で原告側は2006年4月の施行以降について、増額された負担分を根拠に賠償を求めており、この点について国側がどのように対処するかは不透明だ。
国側は従来の姿勢を転換し、「同法を廃止して総合的な制度をつくる」として、裁判進行を3か月程度猶予するよう求め、裁判官、原告側ともこれを認めた。政権交代による政府の政策転換が訴訟の方向を大きく変えることになった。
猶予期間について、長妻厚生労働相は同日夜、報道陣に「よりよい制度を作っていくという姿勢を示した」と説明。厚労省によると、広島以外の12地裁の訴訟でも、国側は同様の対応をとるという。
障害者自立支援法は、障害者が受ける福祉サービスの利用料について、原則1割を自己負担とする「応益負担」を柱とする。原告側はこれを「憲法が保障する生存権の侵害」などと主張していた。全国弁護団の藤岡毅弁護士は今回の国側の転換について、「あくまで違憲判決を目指すが、国が(違憲判決に)匹敵する内容を示せば、判決以外の解決もあり得る」と和解の可能性も示唆した。
民主党は先の衆院議員選挙で、応益負担の原則を改め、障害者の負担能力に応じた利用料を求める新制度の制定を公約に掲げていた。長妻厚労相は今月19日、公約通り同法を廃止すると明言していた。廃止の時期や新制度の内容は明かされておらず、今後、与党で検討を進める。
ただし、この集団訴訟で原告側は2006年4月の施行以降について、増額された負担分を根拠に賠償を求めており、この点について国側がどのように対処するかは不透明だ。