◇来月23日、越谷にオープン
自殺で4年前に46歳で亡くなった自閉症の長男、小林年(みのる)さんが建てた自宅を、知的障害者家族のサロン「みのりの家」として開放しようと、越谷市宮本町2、長谷川美智子さん(76)が準備を進めている。オープン予定は10月23日。長谷川さんは、「自宅は息子が障害を抱えながらも頑張って作った家。思い出がいっぱい詰まっており、同じ境遇の家族が交流する『心の広場』にしたい」と胸を膨らませる。
年さんは幼児期に知的障害を伴う自閉症を発症。人とのコミュニケーションは苦手だが、性格は明るく記憶力は抜群だった。離婚した母親を気遣う心も人一倍強かったという。都立定時制高を中退後、建材、婦人服、食品会社と職場を変えながら働き続けた。
「お母さん、家が古くなったので建て替えよう」。02年1月に鉄骨2階建て延べ約100平方メートルのしゃれたマイホームを建設した。資金は、年さんが26年間コツコツと貯めた1400万円を元手に、400万円の住宅ローンを充てた。障害がありなかなか旅行に行けないので、庭には露天風呂を設け、好きな柿の木を植えたという。
02年11月、年さんは大手宅配便会社の関連企業に転職。05年3月、突然自宅で首つり自殺した。ショックを受けた長谷川さんは06年8月に「自殺は会社の障害者に対する配慮不足が原因」として、会社を相手取り損害賠償を求め東京地裁に提訴した。1審は棄却されたが、東京高裁で今年9月、会社側が見舞金500万円を支払い障害者に関する社員教育を実施することなどを条件に和解した。
裁判を終え、気持ちの整理がついた長谷川さんは、「息子と2人で暮らし、思い出がいっぱい詰まった家を何か社会に役立てれば」と、今回の自宅開放を思いついたという。サロンは息子の名前と、「障害者が地域で働けて生きていけるという願いがみのるように」との思いから、「みのりの家」と名付けた。
家の開放は月1回程度の計画で、障害者を抱える家族が集まり、共通の悩みを話したり、情報交換や近況報告をする場にしたいという。オープン日の10月23日には午前10時~午後3時を開放し、市内の障害者団体に参加を呼びかける。夕方以降は会社帰りの障害者家族の父親らに出席してもらう予定だ。
長谷川さんは、「同じ悩みを持つ家族が気軽に集まり、お茶を飲みながら会話を楽しめるスペースにしたい。具体的な運営はみなさんと話し合いながら決めます」と話す。問い合わせは長谷川さん(電話048・965・7669)。
自殺で4年前に46歳で亡くなった自閉症の長男、小林年(みのる)さんが建てた自宅を、知的障害者家族のサロン「みのりの家」として開放しようと、越谷市宮本町2、長谷川美智子さん(76)が準備を進めている。オープン予定は10月23日。長谷川さんは、「自宅は息子が障害を抱えながらも頑張って作った家。思い出がいっぱい詰まっており、同じ境遇の家族が交流する『心の広場』にしたい」と胸を膨らませる。
年さんは幼児期に知的障害を伴う自閉症を発症。人とのコミュニケーションは苦手だが、性格は明るく記憶力は抜群だった。離婚した母親を気遣う心も人一倍強かったという。都立定時制高を中退後、建材、婦人服、食品会社と職場を変えながら働き続けた。
「お母さん、家が古くなったので建て替えよう」。02年1月に鉄骨2階建て延べ約100平方メートルのしゃれたマイホームを建設した。資金は、年さんが26年間コツコツと貯めた1400万円を元手に、400万円の住宅ローンを充てた。障害がありなかなか旅行に行けないので、庭には露天風呂を設け、好きな柿の木を植えたという。
02年11月、年さんは大手宅配便会社の関連企業に転職。05年3月、突然自宅で首つり自殺した。ショックを受けた長谷川さんは06年8月に「自殺は会社の障害者に対する配慮不足が原因」として、会社を相手取り損害賠償を求め東京地裁に提訴した。1審は棄却されたが、東京高裁で今年9月、会社側が見舞金500万円を支払い障害者に関する社員教育を実施することなどを条件に和解した。
裁判を終え、気持ちの整理がついた長谷川さんは、「息子と2人で暮らし、思い出がいっぱい詰まった家を何か社会に役立てれば」と、今回の自宅開放を思いついたという。サロンは息子の名前と、「障害者が地域で働けて生きていけるという願いがみのるように」との思いから、「みのりの家」と名付けた。
家の開放は月1回程度の計画で、障害者を抱える家族が集まり、共通の悩みを話したり、情報交換や近況報告をする場にしたいという。オープン日の10月23日には午前10時~午後3時を開放し、市内の障害者団体に参加を呼びかける。夕方以降は会社帰りの障害者家族の父親らに出席してもらう予定だ。
長谷川さんは、「同じ悩みを持つ家族が気軽に集まり、お茶を飲みながら会話を楽しめるスペースにしたい。具体的な運営はみなさんと話し合いながら決めます」と話す。問い合わせは長谷川さん(電話048・965・7669)。