全国の障害者施設などでつくる社会福祉法人「全国精神障害者社会復帰施設協会」(全精社協、東京都)が厚生労働省の補助金約1800万円を不正流用したことが全精社協元幹部らへの取材で分かった。使途不明金は数千万円に上るとの証言もあり、一部が前衆院議員や元厚労省幹部に、パーティー券や商品券の形で流れた疑いがあることも分かった。厚労省は今年4月から特別監査中で、検察当局も近く実態解明に乗り出す模様だ。
元幹部や関係資料などによると、07年、基本財産6000万円のうち2000万円を、運営する精神障害者支援施設「ハートピアきつれ川」(栃木県さくら市)の運営経費用に厚労省に無断で取り崩した。この穴埋めのため、08年3月、1800万円を不正流用したという。この補助金は障害者自立支援について調査、研究する目的で07年度、計3130万円が支出されたものだった。
厚労行政に詳しい自民党前衆院議員の政治資金パーティー券を3回分計60万円で購入したり、障害者施策を担当していた元厚労省幹部に商品券数十万円分を渡した疑いも出ている。
一方、全精社協が08年、ハートピアきつれ川の土地建物を取得した際、舛添要一厚労相が便宜を図る文書を出していたことが分かった。文書は08年6月11日付で、同施設の土地建物に4億5000万円の抵当権を持つ独立行政法人「福祉医療機構」(東京都)の理事長に対し、「特段の配慮」を依頼する内容で、その後、同機構は抵当権を解除し債権放棄した。厚労相が補助金の不正流用が疑われる団体へ協力したことになり、判断の是非が問われそうだ。
元幹部や関係資料などによると、07年、基本財産6000万円のうち2000万円を、運営する精神障害者支援施設「ハートピアきつれ川」(栃木県さくら市)の運営経費用に厚労省に無断で取り崩した。この穴埋めのため、08年3月、1800万円を不正流用したという。この補助金は障害者自立支援について調査、研究する目的で07年度、計3130万円が支出されたものだった。
厚労行政に詳しい自民党前衆院議員の政治資金パーティー券を3回分計60万円で購入したり、障害者施策を担当していた元厚労省幹部に商品券数十万円分を渡した疑いも出ている。
一方、全精社協が08年、ハートピアきつれ川の土地建物を取得した際、舛添要一厚労相が便宜を図る文書を出していたことが分かった。文書は08年6月11日付で、同施設の土地建物に4億5000万円の抵当権を持つ独立行政法人「福祉医療機構」(東京都)の理事長に対し、「特段の配慮」を依頼する内容で、その後、同機構は抵当権を解除し債権放棄した。厚労相が補助金の不正流用が疑われる団体へ協力したことになり、判断の是非が問われそうだ。