岩手、宮城両県にある障害者の「グループホーム」「ケアホーム」のうち、少なくとも32施設が震災で使用できないことが両県への取材でわかった。いずれも障害者が「施設」でなく地域の中で暮らすための場で、関係者は「一日も早く再開できるよう支援してほしい」と訴えている。
グループホームでは家事などの支援を受けながら、障害者が自分たちで共同生活を送っている。ケアホームはこれに生活支援員というスタッフが付き、食事や入浴介助などの支援も受けられる。
岩手県によると、震災で県内の計13施設が被災し、うち陸前高田市では市内にある6カ所すべてのケアホームが全滅した。暮らしていた知的障害者28人は全員無事だったが、別の障害者向け施設に避難したり、実家に帰省したりして過ごしている。
被災したケアホームで暮らしながらクリーニングの仕事をしていた40代女性は別の障害者施設で避難生活を送るが「早く自分の部屋に戻って、仕事をしたい」と漏らす。
支援スタッフの菅野志保さん(27)も「日中何もできることがなく、避難している施設内でも行き場がない。生活のリズムを失っており、早く居場所を作ってほしい」と訴えている。
また、宮城県によると、同県内のグループホーム、ケアホーム335施設のうち全壊や使用不能が計26施設に上る。福島県内でも8施設が被災し、いずれも被害は軽微とみられるが、福島第1原発事故の影響で一部の利用者が避難生活をしているという。
新潟県中越地震(04年)では仮設住宅をグループホームに活用するケースがあった。ただ「日本グループホーム学会」事務局長の室津滋樹さんは「仮設住宅には障害者や高齢者向けの優先枠が設定されているが、一角にまとめてしまうと孤立を招く。仮設住宅でもコミュニティーを形成できるよう、計画的に建設していくべきだ」と指摘している。
毎日新聞 2011年4月16日
グループホームでは家事などの支援を受けながら、障害者が自分たちで共同生活を送っている。ケアホームはこれに生活支援員というスタッフが付き、食事や入浴介助などの支援も受けられる。
岩手県によると、震災で県内の計13施設が被災し、うち陸前高田市では市内にある6カ所すべてのケアホームが全滅した。暮らしていた知的障害者28人は全員無事だったが、別の障害者向け施設に避難したり、実家に帰省したりして過ごしている。
被災したケアホームで暮らしながらクリーニングの仕事をしていた40代女性は別の障害者施設で避難生活を送るが「早く自分の部屋に戻って、仕事をしたい」と漏らす。
支援スタッフの菅野志保さん(27)も「日中何もできることがなく、避難している施設内でも行き場がない。生活のリズムを失っており、早く居場所を作ってほしい」と訴えている。
また、宮城県によると、同県内のグループホーム、ケアホーム335施設のうち全壊や使用不能が計26施設に上る。福島県内でも8施設が被災し、いずれも被害は軽微とみられるが、福島第1原発事故の影響で一部の利用者が避難生活をしているという。
新潟県中越地震(04年)では仮設住宅をグループホームに活用するケースがあった。ただ「日本グループホーム学会」事務局長の室津滋樹さんは「仮設住宅には障害者や高齢者向けの優先枠が設定されているが、一角にまとめてしまうと孤立を招く。仮設住宅でもコミュニティーを形成できるよう、計画的に建設していくべきだ」と指摘している。
毎日新聞 2011年4月16日