◇プランター配り支援
被災地の仮設住宅に花のプランターを配り、住民同士のコミュニケーションに役立ててもらう知的障害者通所施設「慈愛福祉学園」(岩手県大船渡市)の「花いっぱい運動」が注目を集めている。大船渡市や陸前高田市の仮設住宅をすべて回るのが目標で、これまでに36カ所に配布。被災地支援団体から声がかかり、宮城県東松島市にも「出張」するなど活動は広がりを見せている。
同学園の利用者は、花や野菜を育てて一般家庭に販売してきたが、震災で販売先が半減。新規の顧客開拓の前に地域へ恩返しができないかと考えていたところ、横浜市の障害者施設から募金などによる協力の申し出があり、仮設住宅に花を提供することになった。
夏場はマリーゴールドやサルビア、ベゴニア、これからはパンジーやノースポール。学園の利用者と仮設住宅の住民が手分けしてプランターに苗を植える。参加できなかった近所の住民の分も持ち帰ってもらい、声をかけ合うきっかけにしてほしいという狙いもある。9月16日には東松島市を支援している団体からの要請で同市の約90戸に配った。
学園の利用者の多くは被災者でもある。中村輝雄さん(56)は住んでいたグループホームが流され、仮設住宅で母(79)と2人暮らし。「普段から育てている花で、みんなに喜んでもらえるのはうれしい」と笑顔を見せる。
自宅を流され、県営住宅に夫と入居する田中恵美子さん(70)は「仮設住宅に住む人々にとって、土いじりをしたり花を育てたりするのはとても大切」と話している。
毎日新聞 2011年10月1日 東京夕刊
被災地の仮設住宅に花のプランターを配り、住民同士のコミュニケーションに役立ててもらう知的障害者通所施設「慈愛福祉学園」(岩手県大船渡市)の「花いっぱい運動」が注目を集めている。大船渡市や陸前高田市の仮設住宅をすべて回るのが目標で、これまでに36カ所に配布。被災地支援団体から声がかかり、宮城県東松島市にも「出張」するなど活動は広がりを見せている。
同学園の利用者は、花や野菜を育てて一般家庭に販売してきたが、震災で販売先が半減。新規の顧客開拓の前に地域へ恩返しができないかと考えていたところ、横浜市の障害者施設から募金などによる協力の申し出があり、仮設住宅に花を提供することになった。
夏場はマリーゴールドやサルビア、ベゴニア、これからはパンジーやノースポール。学園の利用者と仮設住宅の住民が手分けしてプランターに苗を植える。参加できなかった近所の住民の分も持ち帰ってもらい、声をかけ合うきっかけにしてほしいという狙いもある。9月16日には東松島市を支援している団体からの要請で同市の約90戸に配った。
学園の利用者の多くは被災者でもある。中村輝雄さん(56)は住んでいたグループホームが流され、仮設住宅で母(79)と2人暮らし。「普段から育てている花で、みんなに喜んでもらえるのはうれしい」と笑顔を見せる。
自宅を流され、県営住宅に夫と入居する田中恵美子さん(70)は「仮設住宅に住む人々にとって、土いじりをしたり花を育てたりするのはとても大切」と話している。
毎日新聞 2011年10月1日 東京夕刊