手を動かすか、動きを想像した際に生じる脳波でロボットに動きを再現させることに、大阪大と国際電気通信基礎技術研究所(ATR、京都府)などのグループが成功した。筋肉が衰えて体が動かなくなる難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の人が、考えるだけで動かせるロボットを開発するための基礎技術になるという。論文が3日、米神経学会誌電子版に掲載された。
治りにくい痛みやてんかんでは、脳表面にシート状の電極を置いて電気を流し症状を和らげる治療が確立している。阪大の平田雅之特任准教授(脳神経外科)らは、こうした治療中の13~66歳の患者12人の協力を得て、手を握ったりひじを曲げたりする運動の際に出る脳波を計測した。すると、脳波には運動の種類ごとに異なる特徴があることが分かった。
ロボットと脳表面の電極を、脳波の特徴などの情報を記憶させた制御用コンピューターを介して接続。患者に手を握るなどの運動をしてもらうか、まひの強い人には想像してもらったところ、その通りの運動をロボットが57~99%の精度で再現した。まひの強い人の方が、精度が低かった。
実用化に向け、グループは無線で接続できる電極を開発中。またALS患者でも同様の運動再現ができるかどうか確かめるため、患者の協力を得た臨床研究を近く始める。
毎日新聞 2011年11月3日 19時58分(最終更新 11月3日 20時25分)
治りにくい痛みやてんかんでは、脳表面にシート状の電極を置いて電気を流し症状を和らげる治療が確立している。阪大の平田雅之特任准教授(脳神経外科)らは、こうした治療中の13~66歳の患者12人の協力を得て、手を握ったりひじを曲げたりする運動の際に出る脳波を計測した。すると、脳波には運動の種類ごとに異なる特徴があることが分かった。
ロボットと脳表面の電極を、脳波の特徴などの情報を記憶させた制御用コンピューターを介して接続。患者に手を握るなどの運動をしてもらうか、まひの強い人には想像してもらったところ、その通りの運動をロボットが57~99%の精度で再現した。まひの強い人の方が、精度が低かった。
実用化に向け、グループは無線で接続できる電極を開発中。またALS患者でも同様の運動再現ができるかどうか確かめるため、患者の協力を得た臨床研究を近く始める。
毎日新聞 2011年11月3日 19時58分(最終更新 11月3日 20時25分)