社会、文化活動に貢献する障がい者を表彰する第16回沖縄コロニー大賞(主催・同実行委員会)に、うるま市で有機農業を営む識名盛繁さん(58)が選ばれた。識名さんは網膜色素変性症で視力が徐々に低下し、15年ほど前からは光を感じられる程度だ。有機農業で自立し、人材育成への取り組みが評価された。(佐渡山倫子)
「この病気で50代を過ぎても光を感じられるのは珍しいと言われる。体は自然の恵みで変わる。安全でおいしいものを届けたい」。病を通してそう確信した。
農業を始めた約30年前は機械や農薬を使ったが、失敗で資金をつぎ込み悪循環に陥った。
このため、有機農業に転換。21年間続ける不耕地栽培の畑は一見荒地に見えるが「自然を畑に持ち込み省力化をするには最適」という。21棟あるビニールハウスは、自然の土のにおいであふれる。
植物の状態をにおいや葉っぱの厚さなどで把握する。「いずれ失明すると言われていたので、感覚で動く癖がついていた。悲観したことはない」。手作り酵素でウイルスから野菜を守る有機農業を通して全国にネットワークが広がっている。
中部地区指導農業士等連絡協議会に所属し、2006年から県内外の学生を受け入れ、昼は農法、夜は歌三線を教える。「大きな農地で一人で作業すると誰でも恐怖心が湧く。声を出すことで気持ちを変えることができる」と自らの経験を指導に生かす。
表彰式は12月9日の障害者の日に那覇市のホテル、ザ・ナハテラスである。
2011年11月19日 10時00分 沖縄タイムス
「この病気で50代を過ぎても光を感じられるのは珍しいと言われる。体は自然の恵みで変わる。安全でおいしいものを届けたい」。病を通してそう確信した。
農業を始めた約30年前は機械や農薬を使ったが、失敗で資金をつぎ込み悪循環に陥った。
このため、有機農業に転換。21年間続ける不耕地栽培の畑は一見荒地に見えるが「自然を畑に持ち込み省力化をするには最適」という。21棟あるビニールハウスは、自然の土のにおいであふれる。
植物の状態をにおいや葉っぱの厚さなどで把握する。「いずれ失明すると言われていたので、感覚で動く癖がついていた。悲観したことはない」。手作り酵素でウイルスから野菜を守る有機農業を通して全国にネットワークが広がっている。
中部地区指導農業士等連絡協議会に所属し、2006年から県内外の学生を受け入れ、昼は農法、夜は歌三線を教える。「大きな農地で一人で作業すると誰でも恐怖心が湧く。声を出すことで気持ちを変えることができる」と自らの経験を指導に生かす。
表彰式は12月9日の障害者の日に那覇市のホテル、ザ・ナハテラスである。
2011年11月19日 10時00分 沖縄タイムス