現住建造物等放火罪に問われた被告の那覇地裁裁判員裁判で、聴覚障がいのある男性が補充裁判員として15~17日まで参加した。同裁判の被告弁護人によると聴覚障がい者の裁判員・補充裁判員は全国で2例目と裁判官が説明したという。
男性は、手話通訳を通して法廷での尋問内容などを把握。発言者が特定できるよう通訳者が立ち位置を変えたり、評議の場では複数の人が同時に発言しないよう配慮する工夫もあった。
同地裁から通訳の依頼を受けた県聴覚障害者協会の紹介で、手話通訳を担当した一人の石川陽子・全国手話通訳問題研究会沖縄支部長は「裁判所側との事前打ち合わせが生かされ、評議や法廷で工夫があり、補充裁判員の男性も通訳に大丈夫と答えていた」と評価。
今後も同様な障がいのある人が裁判員・補充裁判員になる場合、障がいの程度などに合わせた対応が必要だと話した。
公判を傍聴した同協会の比嘉豪常任理事は「ろうあ者が、法廷で読み上げられる資料を見ながら、通訳を確認するのは時間的なずれがあり大変。通訳者との意思疎通が課題だ」と指摘。裁判員も判決後の会見で「裁判所内は階段が多く、足の不自由な人が裁判員になるとどうなのかと感じた」と課題を提起した。
同裁判では17日、国頭村の自宅内にガソリンをまいて火を放ち一部を焼損させたとして、現住建造物等放火罪に問われた会社員又吉登志行被告(60)に対し、鈴木秀行裁判長は懲役3年(求刑5年)保護観察付き執行猶予4年を言い渡した。
2011年11月18日 09時29分 沖縄タイムス
男性は、手話通訳を通して法廷での尋問内容などを把握。発言者が特定できるよう通訳者が立ち位置を変えたり、評議の場では複数の人が同時に発言しないよう配慮する工夫もあった。
同地裁から通訳の依頼を受けた県聴覚障害者協会の紹介で、手話通訳を担当した一人の石川陽子・全国手話通訳問題研究会沖縄支部長は「裁判所側との事前打ち合わせが生かされ、評議や法廷で工夫があり、補充裁判員の男性も通訳に大丈夫と答えていた」と評価。
今後も同様な障がいのある人が裁判員・補充裁判員になる場合、障がいの程度などに合わせた対応が必要だと話した。
公判を傍聴した同協会の比嘉豪常任理事は「ろうあ者が、法廷で読み上げられる資料を見ながら、通訳を確認するのは時間的なずれがあり大変。通訳者との意思疎通が課題だ」と指摘。裁判員も判決後の会見で「裁判所内は階段が多く、足の不自由な人が裁判員になるとどうなのかと感じた」と課題を提起した。
同裁判では17日、国頭村の自宅内にガソリンをまいて火を放ち一部を焼損させたとして、現住建造物等放火罪に問われた会社員又吉登志行被告(60)に対し、鈴木秀行裁判長は懲役3年(求刑5年)保護観察付き執行猶予4年を言い渡した。
2011年11月18日 09時29分 沖縄タイムス