愛知県大府市の中学2年生の女子生徒が、いじめが原因で頭痛などの症状が出る「適応障害」になり、教室で授業を受けることができなくなったとして、両親と共に、学校に対していじめへの対応の遅れを訴えるとともに、警察に被害届を提出しました。
中学校を訪れたのは、中学2年生の女子生徒と両親、さらに、この家族を支援している「全国いじめ被害者の会」の大沢秀明理事長です。
家族などによりますと、女子生徒は、去年の入学以降、複数の同級生から「死ね」などの暴言を言われ続け、学校にやめさせるよう訴えたものの、いじめはなくならなかったため、11月にはストレスが原因で頭痛や特定の人に会うのが怖くなる、「適応障害」と診断されたということです。そして、教室で授業を受けることができなくなり、現在は学校の相談室で個別の指導を受けているということです。
学校を訪れた女子生徒と両親は、校長と教頭に対して、生徒たちへの聞き取りなどいじめへの対応が行われたのは10月になってからだったとして、対応の遅れを認めることと、いじめに加わった生徒とその保護者からの謝罪を求めました。
これに対して学校側は、対応の遅れを認めたうえで、「いじめに加わった生徒への対処が甘かった」と謝罪しました。
女子生徒と両親は、このあと、警察を訪れ、いじめで「適応障害」になったのは傷害に当たるとして、被害届を提出しました。
女子生徒“自分が悪いのかなと責めることも”
暴言によるいじめを受けていた中学2年生の女子生徒は報道陣の取材に応じ、「繰り返しいじめを受けていると、自分が悪いのかなと責めることもありました。いじめをしてきた同級生の生徒たちには、いじめを認めてもらい、謝ってほしい」と話していました。
父親“中学校生活を奪ったこと認識を”
女子生徒の父親は「いじめに加わった人たちには、ことばの暴力が1人の生徒の楽しい中学校生活を奪ったことを、しっかりと認識してほしい。本人はいじめにあいながら毎日よく頑張っていて、普通の中学校生活を送らせてあげたかったので、見ていてつらい。2学期以降、中学校に行くことは難しいことかもしれないが、ゆっくり時間をかけながら、よい人生を送ってもらえるよう支え続けたい」と話していました。
“暴言は犯罪行為と同じ”
全国いじめ被害者の会の大沢秀明理事長は「ことばの暴力は、殴る蹴るなどの暴力と同じで決して許されないことで、悩んでいる人が全国に大勢いる。いじめられた女子生徒は人生を大きく狂わされており、学校側はいじめに加わった生徒と保護者に、暴言は犯罪行為と同じだと説明し、きちんと謝罪させないと女子生徒は一歩も前に進めない」と述べました。
校長“対応が甘かったと反省”
中学校の校長は「学校として最初に対応したのは去年10月で、いじめに加わった生徒から話を聞いたうえで指導し、その保護者にも伝えるなど、やれることはやってきた。しかし、それ以前は、被害者の生徒が相手に言わないでほしいということだったので、学年集会での呼びかけにとどめ、生徒への個別の指導はせず、今は対応が甘かったと反省している。今後は、生徒が望む形で十分な学習の機会を確保し、安心して通えるよう支援していきたい」と話しています。

NHK - 8月9日 19時14分
中学校を訪れたのは、中学2年生の女子生徒と両親、さらに、この家族を支援している「全国いじめ被害者の会」の大沢秀明理事長です。
家族などによりますと、女子生徒は、去年の入学以降、複数の同級生から「死ね」などの暴言を言われ続け、学校にやめさせるよう訴えたものの、いじめはなくならなかったため、11月にはストレスが原因で頭痛や特定の人に会うのが怖くなる、「適応障害」と診断されたということです。そして、教室で授業を受けることができなくなり、現在は学校の相談室で個別の指導を受けているということです。
学校を訪れた女子生徒と両親は、校長と教頭に対して、生徒たちへの聞き取りなどいじめへの対応が行われたのは10月になってからだったとして、対応の遅れを認めることと、いじめに加わった生徒とその保護者からの謝罪を求めました。
これに対して学校側は、対応の遅れを認めたうえで、「いじめに加わった生徒への対処が甘かった」と謝罪しました。
女子生徒と両親は、このあと、警察を訪れ、いじめで「適応障害」になったのは傷害に当たるとして、被害届を提出しました。
女子生徒“自分が悪いのかなと責めることも”
暴言によるいじめを受けていた中学2年生の女子生徒は報道陣の取材に応じ、「繰り返しいじめを受けていると、自分が悪いのかなと責めることもありました。いじめをしてきた同級生の生徒たちには、いじめを認めてもらい、謝ってほしい」と話していました。
父親“中学校生活を奪ったこと認識を”
女子生徒の父親は「いじめに加わった人たちには、ことばの暴力が1人の生徒の楽しい中学校生活を奪ったことを、しっかりと認識してほしい。本人はいじめにあいながら毎日よく頑張っていて、普通の中学校生活を送らせてあげたかったので、見ていてつらい。2学期以降、中学校に行くことは難しいことかもしれないが、ゆっくり時間をかけながら、よい人生を送ってもらえるよう支え続けたい」と話していました。
“暴言は犯罪行為と同じ”
全国いじめ被害者の会の大沢秀明理事長は「ことばの暴力は、殴る蹴るなどの暴力と同じで決して許されないことで、悩んでいる人が全国に大勢いる。いじめられた女子生徒は人生を大きく狂わされており、学校側はいじめに加わった生徒と保護者に、暴言は犯罪行為と同じだと説明し、きちんと謝罪させないと女子生徒は一歩も前に進めない」と述べました。
校長“対応が甘かったと反省”
中学校の校長は「学校として最初に対応したのは去年10月で、いじめに加わった生徒から話を聞いたうえで指導し、その保護者にも伝えるなど、やれることはやってきた。しかし、それ以前は、被害者の生徒が相手に言わないでほしいということだったので、学年集会での呼びかけにとどめ、生徒への個別の指導はせず、今は対応が甘かったと反省している。今後は、生徒が望む形で十分な学習の機会を確保し、安心して通えるよう支援していきたい」と話しています。

NHK - 8月9日 19時14分