出雲市の全盲の男性が、75歳を迎えた記念に富士山登山に挑戦する。ボランティアらのサポートを受けながら、8日から3泊4日の日程で登る。70歳だった5年前にも登頂に成功しており、今回が2回目。「頂上に立つまでの過程が大切」と毎日8キロの砂袋を背負って1万歩以上歩くトレーニングに励んでいる。(高田史朗)
同市中野美保南、元大工の原益弘さん(75)。中年の頃から網膜色素変性症で視覚に障害が出始め、56歳で大工を引退、70歳を前に全盲となった。
引退した頃からウオーキング大会などに参加し、登山にも挑戦しようと地元のサークルの登山に参加を申し込んだが、「サポートできない」と断られた。発奮して、インターネットで全国に呼びかけ、千葉、神奈川県のボランティアの支援を受けて、古希を迎えた2007年、富士登山を達成した。
以来、全国の視覚障害者登山交流大会に参加するなどして、乗鞍岳(岐阜県)や大山(鳥取県)の登山も果たしてきた。
今回、県内の青少年や障害者の野外活動団体「しまね四季の会」のメンバー8人が支援。原さんは、メンバーのリュックから伸びる短いひもにつかまりながら歩く。8日夜に出雲市を出発。9日に5合目から登り始め、山小屋で宿泊。10日にご来光を拝んで頂上を目指す。原さんらと一緒に、視覚障害を持つ安来市の60歳代の女性も登山に挑戦する。
2年前、妻の千歳さんを亡くして以来、独り暮らしの原さん。「障害があるから、年だから、と引っ込んでいないでどんどん出たらいい。自分は毎日、歩いているので悩みもなく以前より健康になった。またあの達成感を味わいたい」と楽しみにしている。
自宅の庭で、砂袋を背負い、ロープをつかんで歩く練習をする原さん(出雲市中野美保南で)
(2012年8月7日 読売新聞)
同市中野美保南、元大工の原益弘さん(75)。中年の頃から網膜色素変性症で視覚に障害が出始め、56歳で大工を引退、70歳を前に全盲となった。
引退した頃からウオーキング大会などに参加し、登山にも挑戦しようと地元のサークルの登山に参加を申し込んだが、「サポートできない」と断られた。発奮して、インターネットで全国に呼びかけ、千葉、神奈川県のボランティアの支援を受けて、古希を迎えた2007年、富士登山を達成した。
以来、全国の視覚障害者登山交流大会に参加するなどして、乗鞍岳(岐阜県)や大山(鳥取県)の登山も果たしてきた。
今回、県内の青少年や障害者の野外活動団体「しまね四季の会」のメンバー8人が支援。原さんは、メンバーのリュックから伸びる短いひもにつかまりながら歩く。8日夜に出雲市を出発。9日に5合目から登り始め、山小屋で宿泊。10日にご来光を拝んで頂上を目指す。原さんらと一緒に、視覚障害を持つ安来市の60歳代の女性も登山に挑戦する。
2年前、妻の千歳さんを亡くして以来、独り暮らしの原さん。「障害があるから、年だから、と引っ込んでいないでどんどん出たらいい。自分は毎日、歩いているので悩みもなく以前より健康になった。またあの達成感を味わいたい」と楽しみにしている。
自宅の庭で、砂袋を背負い、ロープをつかんで歩く練習をする原さん(出雲市中野美保南で)
(2012年8月7日 読売新聞)