■視覚障害者のために立体コピー図版
視覚障害者に、江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎がさまざまな場所から見える富士山を描いた代表作「富嶽三十六景」の立体コピー図版を手でさわり味わってもらう鑑賞会が22日、大阪市西区の日本ライトハウス情報文化センターで開かれた。46枚からなる富嶽三十六景を凹凸によって表した“立体絵”にふれてもらい、作品のイメージを感じてもらう試みで、同センターが府内で初めて企画。今後も随時、視覚障害者の鑑賞を受け付ける。
この立体コピー図版は、視覚障害者の支援に取り組む常磐大学(水戸市)コミュニティ振興学部の中村正之教授と研究室の学生らが、「富嶽三十六景」の原図46枚を所蔵する山梨県立博物館の協力を得て昨年11月に制作した。視覚障害のためのアートに詳しい同センタースタッフの小原二三夫(ふみお)さんが協力した縁で、同センターに寄贈。小原さんが今回の鑑賞会を企画した。
立体コピー図版制作にあたっては、まず原図46枚すべてを白黒にしたうえで、画像の濃淡を解析。原図の情報を分解し、1枚につき4種類の凹凸による「絵」をつくるなどして工夫した。
たとえば、原図の中で広く知られる「神奈川沖浪裏」では、まず富士山の位置を示した絵をさわり、次いでその周りにある小舟、さらに小舟を襲う大波にふれたうえで、最後の1枚で全体の構図を把握する仕組み。
今回の鑑賞会は、視覚障害者4人が参加し1時間にわたり開かれた。ボランティアが絵の構図や色などについて説明した。参加した奈良県大和郡山市の柿本淳子さんは「複雑な絵ですが、シンプルに分解されているので順を追ってさわっていくと、波や舟をイメージすることができた。ボランティアが横で説明してくれるので、わかりやすかった」と感想を語った。
企画した小原さんは「富嶽三十六景にはいろいろな方向から見た富士山が描かれており、富士山にも多様な見え方があることを感じてもらえたら」と話している。
立体コピー図版の鑑賞は無料。申し込み、問い合わせは同センター((電)06・6441・0015)。
MSN産経ニュース : 2014.2.23 02:44
視覚障害者に、江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎がさまざまな場所から見える富士山を描いた代表作「富嶽三十六景」の立体コピー図版を手でさわり味わってもらう鑑賞会が22日、大阪市西区の日本ライトハウス情報文化センターで開かれた。46枚からなる富嶽三十六景を凹凸によって表した“立体絵”にふれてもらい、作品のイメージを感じてもらう試みで、同センターが府内で初めて企画。今後も随時、視覚障害者の鑑賞を受け付ける。
この立体コピー図版は、視覚障害者の支援に取り組む常磐大学(水戸市)コミュニティ振興学部の中村正之教授と研究室の学生らが、「富嶽三十六景」の原図46枚を所蔵する山梨県立博物館の協力を得て昨年11月に制作した。視覚障害のためのアートに詳しい同センタースタッフの小原二三夫(ふみお)さんが協力した縁で、同センターに寄贈。小原さんが今回の鑑賞会を企画した。
立体コピー図版制作にあたっては、まず原図46枚すべてを白黒にしたうえで、画像の濃淡を解析。原図の情報を分解し、1枚につき4種類の凹凸による「絵」をつくるなどして工夫した。
たとえば、原図の中で広く知られる「神奈川沖浪裏」では、まず富士山の位置を示した絵をさわり、次いでその周りにある小舟、さらに小舟を襲う大波にふれたうえで、最後の1枚で全体の構図を把握する仕組み。
今回の鑑賞会は、視覚障害者4人が参加し1時間にわたり開かれた。ボランティアが絵の構図や色などについて説明した。参加した奈良県大和郡山市の柿本淳子さんは「複雑な絵ですが、シンプルに分解されているので順を追ってさわっていくと、波や舟をイメージすることができた。ボランティアが横で説明してくれるので、わかりやすかった」と感想を語った。
企画した小原さんは「富嶽三十六景にはいろいろな方向から見た富士山が描かれており、富士山にも多様な見え方があることを感じてもらえたら」と話している。
立体コピー図版の鑑賞は無料。申し込み、問い合わせは同センター((電)06・6441・0015)。
MSN産経ニュース : 2014.2.23 02:44