記録的な大雪となった山梨県内で、視覚障害者が歩くのに苦労している。点字ブロックが埋まっていたり、歩道に積まれた雪の山が盲導犬の妨げになったりしている。思うように外出できない状態が続いており、歩道の除雪を求める声が上がっている。
甲府市宝1丁目の吉川勝彦さん(69)は19日、徒歩で10分ほどの場所にあるパン店に向かった。降雪後は自宅から出られず、5日ぶりの外出だった。盲導犬と一緒に歩く歩道は、雪のかたまりが点字ブロックをふさいでいた。
雪に囲まれて狭くなった通路では、盲導犬の後ろを歩いた。前かがみの姿勢で盲導犬のハーネスを持たなければならず、体に負担がかかった。歩道の雪の山に足を取られたり、蛇行したりしながら、やっとの思いでパン店にたどり着いた。
「盲導犬がいるから出掛けられたが、これではつえ歩行の視覚障害者は出掛けられない。駅やバス停までの歩行がままならなければ外出できない実情を知ってほしい」と、ため息を漏らした。
県視覚障害者福祉協会の長沢誠会長(70)は「視覚障害者は、点字ブロックが使えないと、自分がどちらに向かっているか分からなくなる可能性がある」と指摘。点字ブロックがない道路は壁に沿って歩くが、今は歩道脇に積み上げられた雪が妨げになってまっすぐ歩くことさえできない状況だという。
長沢会長は「車を素早く避けることもできないため、車道を歩くわけにもいかない。歩道の除雪を早く進めてもらいたい」と訴えている。
点字ブロックをふさいだ雪山を避けて歩行する吉川勝彦さん=甲府市内
(山梨日日新聞から)2014年02月23日(日)
甲府市宝1丁目の吉川勝彦さん(69)は19日、徒歩で10分ほどの場所にあるパン店に向かった。降雪後は自宅から出られず、5日ぶりの外出だった。盲導犬と一緒に歩く歩道は、雪のかたまりが点字ブロックをふさいでいた。
雪に囲まれて狭くなった通路では、盲導犬の後ろを歩いた。前かがみの姿勢で盲導犬のハーネスを持たなければならず、体に負担がかかった。歩道の雪の山に足を取られたり、蛇行したりしながら、やっとの思いでパン店にたどり着いた。
「盲導犬がいるから出掛けられたが、これではつえ歩行の視覚障害者は出掛けられない。駅やバス停までの歩行がままならなければ外出できない実情を知ってほしい」と、ため息を漏らした。
県視覚障害者福祉協会の長沢誠会長(70)は「視覚障害者は、点字ブロックが使えないと、自分がどちらに向かっているか分からなくなる可能性がある」と指摘。点字ブロックがない道路は壁に沿って歩くが、今は歩道脇に積み上げられた雪が妨げになってまっすぐ歩くことさえできない状況だという。
長沢会長は「車を素早く避けることもできないため、車道を歩くわけにもいかない。歩道の除雪を早く進めてもらいたい」と訴えている。
点字ブロックをふさいだ雪山を避けて歩行する吉川勝彦さん=甲府市内
(山梨日日新聞から)2014年02月23日(日)