視覚障害者が利用しやすいようホームページ(HP)を見直す動きが、宮城県内の自治体で広がっている。視覚障害者が利用する音声読み上げソフトに十分対応していないHPが多く、改善を促されているためだ。東日本大震災の影響で取り組みが遅れ気味だったが、国が定めた対応期限が本年度末に迫り、自治体は重い腰を上げつつある。
県や市町村のHP担当者がHPの改善ポイントなどを学ぶ県主催の研修会が今月4日、県庁であった。仙台市など14市町村の職員を含む約100人が参加した。
「ころもふく」「せんかお」。会場で講師が音声読み上げソフトを実演すると、意味不明の単語が響いた。解析したのは、今春の花粉飛散予測と防護方法を伝える県のHP。「衣 服」「洗 顔」と文字の間を空けていたため、1文字ずつ音声化された。
講師を務めた小高公聡NTTクラルティ営業企画担当課長は「HPは、ちょっとの気遣いでずっと分かりやすくなる」と助言した。自身も視覚障害者の小高さん。写真やグラフはそのまま掲載せず、説明文を付け音声化できるよう呼び掛けた。
自治体が改善に取り組むのは、総務省が2011年4月、14年3月までに各HPを障害者配慮を盛り込んだ日本工業規格に適合させるよう努力目標を課したのがきっかけ。13年6月に障害者差別を禁止し社会参加を促す法が整備され、対応強化を迫られた事情もある。
県内市町村は対応を急ぐが、取り組みをどう徹底させるかは今後の課題だ。仙台市広報課の担当者は「各部署のHP担当者に浸透するまでには至っていない。意識向上のため、まずはガイドラインを作る」と説明する。
県も各課に呼び掛け、3月末までの総務省目標の達成を促す。橋浦高広報課長は「誰もが公共情報を入手できるような配慮が求められている。より使いやすいHPにしたい」と話す。
HPの更新作業に当たる宮城県職員。障害者に配慮した編集が課題になっている
河北新報 : 2014年02月26日水曜日
県や市町村のHP担当者がHPの改善ポイントなどを学ぶ県主催の研修会が今月4日、県庁であった。仙台市など14市町村の職員を含む約100人が参加した。
「ころもふく」「せんかお」。会場で講師が音声読み上げソフトを実演すると、意味不明の単語が響いた。解析したのは、今春の花粉飛散予測と防護方法を伝える県のHP。「衣 服」「洗 顔」と文字の間を空けていたため、1文字ずつ音声化された。
講師を務めた小高公聡NTTクラルティ営業企画担当課長は「HPは、ちょっとの気遣いでずっと分かりやすくなる」と助言した。自身も視覚障害者の小高さん。写真やグラフはそのまま掲載せず、説明文を付け音声化できるよう呼び掛けた。
自治体が改善に取り組むのは、総務省が2011年4月、14年3月までに各HPを障害者配慮を盛り込んだ日本工業規格に適合させるよう努力目標を課したのがきっかけ。13年6月に障害者差別を禁止し社会参加を促す法が整備され、対応強化を迫られた事情もある。
県内市町村は対応を急ぐが、取り組みをどう徹底させるかは今後の課題だ。仙台市広報課の担当者は「各部署のHP担当者に浸透するまでには至っていない。意識向上のため、まずはガイドラインを作る」と説明する。
県も各課に呼び掛け、3月末までの総務省目標の達成を促す。橋浦高広報課長は「誰もが公共情報を入手できるような配慮が求められている。より使いやすいHPにしたい」と話す。
HPの更新作業に当たる宮城県職員。障害者に配慮した編集が課題になっている
河北新報 : 2014年02月26日水曜日