働く場所がない障害のある人と、担い手がいない農業という二つの問題を解決するために、障害のあるスタッフが働く農場「ごきげんファーム」を経営しています。現在、70数名の障害者スタッフ(ファームスタッフ)と職員で有機栽培をし、地域の皆さまや全国に朝採りの野菜セットをお届けしています。
立ち上げの頃は「障害者に農業ができるか」と厳しいお言葉もいただきましたが、今では他の農家さんから「手伝いにきてくれ」と言われることも多くなりました。障害のある人たちへの周囲の見方が、少しずつですが確実に変化していることを感じます。
もちろん、ファームスタッフも日々変化し、畑で大活躍をしています。スタッフたちからは「ごきげんファームに来て初めて仕事が続いている」「やりがいを持つことができた」「今までは生きていても死んでいた。ごきげんファームに来て生まれてきた意味がわかった」といったうれしい声が聞かれます。
まだまだ課題の多い事業ですが、農場長を中心にファームスタッフに常に全力で誠実に向き合う職員たちと、何よりも地域の皆さまの温かいご支援で事業が進んでいます。農水大臣も畑に視察に来てくださったりと注目はいただいていますが、これからも焦らず急がず、つくばの大地に根を張って地域にごきげんの輪を広げていければと考えています。
(つくば市、認定NPO法人つくばアグリチャレンジ代表理事)
2015年07月25日 常陽新聞スマートフォン版