大阪市阿倍野区の「アトリエ・コーナス」に通う5人のアーティストが撮影した作品が、21日に神戸市中央区で始まる「六甲山国際写真祭」に出展される。同アトリエは知的障害者がアートに取り組む拠点。飾らない彼らの日常が収められた作品は注目を集めそうだ。30日まで。
5人の出展作品は、同アトリエの活動に興味を持ったフランス人ギャラリストが贈ったフィルムカメラで2012年の年末から13年までの3カ月間に渡って撮影された45点。13年には全作品を収納した写真集「Brut photography」も出版されている。
六甲山国際写真祭は「デザイン・クリエイティブセンター神戸 KIITO」を主会場に12カ国から出展された約200点を紹介する。
六甲山国際写真祭ディレクターの杉山武毅さんは「彼らの作品が健常者と異なる構造を有していることは想像できるが、その区別がどこにあるのかという問題提起にもなる。障害者のアート活動への認知が進まないこともあり、取り上げた」と選出理由を挙げる。
同アトリエの白岩高子事務局長は「カメラを初めて触る彼らが、とてもうれしそうだった。(彼らの)アングルや切り取り方は違う。彼らは私たちが見ていないものを見ているんだと思った」と話している。
六甲山国際写真祭の問い合わせは電話078(335)6510、同祭事務局。
アトリエ・コーナスのアーティストが撮影した出展作品
2015年8月21日 大阪日日新聞