県は障害者スポーツ選手の育成や強化を目指し、本年度中に基本計画を初めて策定する。7年後の2022年に栃木国体と併せて本県で開催される全国障害者スポーツ大会での活躍を目指すとともに、障害者の社会参加を手助けするのが狙い。県は来年夏に宇都宮市内に障害者スポーツ拠点施設を開設するほか、競技人口の増加や指導者の資質向上も図り、ハード・ソフト両面で障害者がスポーツしやすい環境を整える。
国体に併せて開催される全国障害者スポーツ大会は、陸上や水泳など個人6競技、車いすバスケットボールやバレーボールなど団体7競技が実施される。参加選手枠は障害者手帳の交付数で都道府県や政令市に割り当てられるが、開催県は個人競技で多くの枠が与えられるほか、団体競技はブロック予選に出場せずに全競技に出場できる。
県障害福祉課によると、団体競技のうち知的障害者のサッカーやソフトボールはことしに入って初めて公式戦に出場したが、バレーボールやフットベースボールは今も県内にチームが無く、早急なチーム設立と定着が必要になる。また、個人競技の本県選手団のメダル獲得数は、13年の東京大会を除いては中位から下位にとどまっている。
こうした現状を踏まえ、県はことし3月に「県障害者スポーツ等育成強化基本方針」を策定。22年の栃木大会には全競技に出場し、多数のメダル獲得など開催県としてふさわしい成績を目指す、などとした。
9月ごろには障害者スポーツを推進する新たな組織を立ち上げ、22年に向けたスケジュールや競技力向上、競技人口の拡大、指導者の資質向上など選手の育成強化に関する基本計画を本年度中に策定する。
県が整備する障害者スポーツ拠点施設予定地。16年夏の完成後、左の体育館「わかくさアリーナ」は解体する。
右の建物はとちぎ福祉プラザ
8月12日 朝刊 下野新聞