視覚障害者の安全な歩行をサポートする「点字ブロック」
点字ブロックの正式名称は「視覚障害者誘導用ブロック」。その名の通り、視覚障害を持つ人が足の裏の感覚や白杖を使って認識できるよう設置されたものです。
点字ブロックの種類は大きくわけて2つ。線状の「誘導ブロック」と、点状の「警告ブロック」です。
誘導ブロックは進行方向を示すもので、足の裏や杖に触れることで進む方向がわかるようになっています。警告ブロックは危険な場所や、交差するところ、案内板の前など、何かを知らせるために設置されています。
この2種類のブロックを組み合わせることで、誘導や警告をし、視覚障害者が安全して歩行できるようサポートしているのです。
出典:http://nichimou.org/
点字ブロックは実は日本生まれ!
点字ブロックは、1967年に、視覚障害を持つ人の移動を支援するものとして岡山県で生まれました。盲学校の近くの交差点に敷設されたのがはじまりです。その後全国的に広がった点字ブロックですが、当初はその色もかたちも、ブロックの大きさだってバラバラでした。点字ブロック誕生から30年以上経った2001年、ようやく点字ブロックの形状が定められ、現在のかたちになったのです。
このように、日本で生まれた点字ブロック。いまや150か国以上の国で活用されています。
危険です…点字ブロックの障害物
点字ブロックを道しるべにしている視覚障害者にとって、点字ブロックは命綱のようなもの。
放置自転車や、違法駐車の車が停められてしまっては、視覚障害者はそれらを避けて歩かなければいけません。放置自転車にぶつかり倒してしまうことで、ケガを負ったり杖が壊れてしまう事故も多発しています。また、障害物を避けて歩いたことで知らずに車道に出てしまうなど、さらに危険な目に遭う可能性だって考えられます。
わたしたちにできることは、点字ブロックの上では立ち止まらず、障害物を置かないよう気をつけること。点字ブロックを必要とする人の妨げにならないよう、少しの配慮を忘れないようにしたいものですね。
すべての歩行者が安全に歩ける道へ
一方で、点字ブロックの凹凸に引っかかり転倒する事故や、点字ブロックの段差が原因で車いすが通りにくいなどの問題も浮上しました。これでは、すべての人が歩きやすいとはいえませんよね。
そこで大田区では、全国ではじめて突起の高さを低くした点字ブロック「エスコット」を設置しました。突起の高さは1.8㎜。視覚障害者が認識できる高さで、かつ車いすが引っかからずに進める高さです。視覚障害者はもちろん、車いすの利用者や高齢者など、すべての歩行者が安全に歩きやすい道へ。
歩道のバリアフリー化に、ますます期待したいところですね。
2015.08.28 介護のほんねニュース