伊那市社会福祉協議会は17日、市内で運営する障害者社会就労センターで利用者が作る製品をインターネット上で販売するオンラインショップを開設した。自主製品の販路拡大を図り、センター利用者の工賃アップにつなげる狙いだ。社協が独自にオンラインショップを開くのは珍しく、上伊那地方では初という。
ショップは同市高遠町の桜の名所にちなんだ「伊那谷のさくら商店」とし、「ゆめわーく」(山寺)、「輪っこはうす・コスモスの家」(同)、「さくらの家」(長谷)の3施設の利用者約100人が作る製品を出品。市社協ホームページからショップのページに入ると商品の画像が表示され、希望する商品を選んで購入できる。
各施設では布や織物のバッグ、ポーチ、ビーズのアクセサリーなどを製作。これまでは毎年4月に高遠城址公園で開く「さくら祭り」に「ニコニコショップひだまり」を出店したり、イベントなどで販売してきた。もっと多くの人たちに知ってもらい、売り上げアップを図ろうと、販路開拓を検討。市社協ホームページのリニューアルに合わせてオンラインショップを開設することを決めた。
ショップには常時50~70点ほどを出品。ほとんどが「利用者や職員がデザインから仕上げまで手掛け、大量生産できない一点物ばかり」といい、「味のある、愛らしい商品をラインアップしており、ぜひ買い求めてほしい」とPRしている。利用者が製作する様子を撮影した動画も見ることができる。
市社協では積極的な情報発信に向け、広報のあり方について検討を進めてきた。ホームページの見直しもその一環で、フェイスブックやLINE(ライン)などソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の充実も図った。オンラインショップについても「就労センターや障害への理解促進にもつなげたい」と期待する。
2015-8-18 長野日報