障害のある人たちの作品を展示する「別府市障がい者(児)アール・ブリュットの芽ばえ展」がまちなか交流館(元町のソルパセオ銀座内)と別府発達医療センター(荘園)で開かれている。出品者一人一人が自分の思いを表現した絵画や書、写真などが並ぶ。初めての開催で、入場無料。30日まで。
別府市を中心に県内の98人が、絵画や書、竹細工、詩などを出品。交流館に80点、センターに100点をそれぞれ展示している。
小学5年から絵画教室に通う久門健太君(別府支援学校中学部3年)は両会場に計5点の油絵を出品した。ルノワールの作品を模写したものや、自由な色使いで描いた花火が目を引く。「多くの人に見てもらえたら、また頑張ろうと思える」と話す。
作品作りに初めて挑んだ人も。市内のNPO法人職員、神田憲治さん(42)は、県応援団“鳥”の「めじろん」を描いた水墨画を出品した。「写真や絵でもっと自分を表現してみたい」と今後の作品作りにも意欲を見せる。社会福祉法人みのり会の生活訓練施設を利用する14人は、ヒマワリをモチーフにしたちぎり絵の合作を出品している。
芸術を通じて障害者の日常生活を豊かにし、障害のある人と健常者の相互理解を進めようと、市や福祉関係者でつくる実行委員会が開いた。
実行委の首藤辰也委員長(同センター内の地域支援センターほっと所長)は「作品制作を通して障害者の新たな可能性や個性に気付き、前向きな気持ちになれる機会にしたい」と話している。
<メモ>
アール・ブリュットはフランス語で、伝統や流行などにとらわれない生のままの芸術の意味。作品展は「ベップ・アート・マンス」の参加プログラム。開館時間は、まちなか交流館が午前10時から午後6時(月曜休館)、別府発達医療センターが午前10時から午後5時(第1、3の土、日曜日休館)。※この記事は、8月21日大分合同新聞朝刊12ページに掲載されています。
※この記事は、8月21日大分合同新聞朝刊12ページに掲載されています。